車などの固定資産と言われるものは一時に経費で落すことができません。国が決めた耐用年数と呼ばれる期間で経費に落としていくことになるのです。
これを「減価償却」と言います。
新車の普通車であれば6年間かけて少しづつ経費になります。
こういった意味では節税のために新車を買っても、即時の効果がないということになります。
しかし、中古車は扱いが変わるんです。
今回は、中古を利用した経費化のスピードアップについて解説します。
中古資産は耐用年数が短くなる
もともと普通自動車の「6年」という法定耐用年数は国が「6年くらいは使えるだろう」ということで設定したものです。
そうであれば中古車は既に結構乗っているはずなので、6 年間も持たないかもしれませんよね。
そこで中古車(中古資産)には耐用年数の特例が認められているのです。
参考までに中古資産の耐用年数の計算方法を記載します。
タックスアンサーNo.5404 中古資産の耐用年数
(1) 法定耐用年数の全部を経過した資産
その法定耐用年数の20%に相当する年数
(2) 法定耐用年数の一部を経過した資産
その法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に経過年数の20%に相当する年数を加えた年数
上記の計算方法で4年落ちの普通車の耐用年数を計算してみましょう。(2)にあてはめます。
6年-4年+4年×20%=2.8年→2年
小数点以下は切り捨てるので4年落ちの普通車は耐用年数が2年となります。
「なんだ費用化には2年かかるのか」と思った方がいるでしょうが、実は1年で全額が経費になるんです!あと2年耐用年数が残っているの何で?と思った人もいるかもしれないのでちょっと解説。
減価償却には定額法と定率法があるのですが、会社(法人)の場合は届け出しなければ定率法が適用されます。
平成24年4月1日以後は200%定率法となっています。例えば、耐用年数5年の場合、定額法の償却率は1÷5年=0.2。この0.2を200%したもの、つまり0.4が定率法の償却率となります。定率法の償却率は定額法の償却率を2倍したものと定められていて、それを200%定率法と言っています。
耐用年数が2年の場合、定額法の償却率は1÷2=0.5がとなります。0.5の2倍は1です。
資産の帳簿価格に償却率をかけたものが減価償却費ですから、1をかけるということは全額が減価償却費になるというわけです。
ただし事業年度の中途で買えば、買った日から事業年度の終わりまでの月数分しか経費にならないので、ギリギリで買った場合は節税効果は薄くなります。
今期は絶対利益が残ると思えば、期首にすぐに中古資産を購入すれば、ほぼ全額が経費となりますし、半年経過後に購入しても50%は経費になります。
中古資産は確かに費用化が早いですが、中古資産は修理が多かったりして、逆にお金がかかる可能性もあります。必要なものを必要なだけ購入していく経営が一番いいのかもしれませんが、そこは経営者の腕の見せどころではないでしょうか。
法人税法の取り扱いについて、注意したい点について一覧にまとめていますので、もしろろしかったらご覧ください。