自動車のリサイクル料の譲渡は金銭債権の譲渡に該当するので消費税は非課税

2018年9月12日

中古車を販売する際に、車両本体価格と未経過分の自動車税相当額及びリサイクル料相当額を区分して表示した場合、未経過分の自動車税相当額及びリサイクル料相当額は、資産の譲渡等の対価の額に含まれないこととなるのでしょうか?

自動車税は、4月1日現在の所有者に対して課税される税(道府県税)ですから、買主が支払う自動車税の未経過期間に対応する金額は、自動車税そのものとして都道府県に対して支払うものではなく、当該未経過の期間内に継続して乗用できる中古車の購入代金の一部として支払うものです。

したがって、車両本体価格と区分表示したとしても、自動車税相当額は資産の譲渡等の対価に含まれます。

 

消費税法基本通達10-1-6(未経過固定資産税等の取扱い)

固定資産税、自動車税等(以下10-1-6において「固定資産税等」という。)の課税の対象となる資産の譲渡に伴い、当該資産に対して課された固定資産税等について譲渡の時において未経過分がある場合で、その未経過分に相当する金額を当該資産の譲渡について収受する金額とは別に収受している場合であっても、当該未経過分に相当する金額は当該資産の譲渡の金額に含まれるのであるから留意する。

(注) 資産の譲渡を受けた者に対して課されるべき固定資産税等が、当該資産の名義変更をしなかったこと等により当該資産の譲渡をした事業者に対して課された場合において、当該事業者が当該譲渡を受けた者から当該固定資産税等に相当する金額を収受するときには、当該金額は資産の譲渡等の対価に該当しないのであるから留意する。

 

また、未経過分の自賠責保険料相当額を区分して表示する場合も、自動車税相当額と同様、資産の譲渡等の対価の額に含まれます。

一方、リサイクル料相当額については、「使用済自動車の再資源化等に関する法律」に基づき資金管理法人に預託されているものですから、中古車として転売する際のリサイクル料相当額は、売主から買主への預託金の譲渡となり、金銭債権の譲渡として非課税となります(法別表1ニ、令91四)。

金額は小さいですが、取扱いには注意しましょう。

 

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【まとめ】消費税について知っておきたい豆知識