税務会計のミチシルベ

自動更新の契約書 実は7号文書でなく2号文書に該当する場合も

あるお客様から、「今まで7号文書だと思って4,000円の印紙を貼ってたけど、200円の印紙を貼ってる取引先がある」との問い合わせが。

その会社は運送と産業廃棄物処理を請け負う会社で、今まで廃棄物の処理料金を契約書に単価を記載しており、その場合は記載金額のない契約書ということで7号文書ということで4,000円の印紙を貼っていました。

調べてみると、タックスアンサーにその答えがありました。

タックスアンサー No.7122 

印紙税の課税文書には、記載金額により税額が異なるもの又は課税されないものがあります。この記載金額とは次の金額をいいます。

(1) 不動産などの譲渡に関する契約書及び債権の譲渡契約書

イ 売買→売買金額

例えば、時価600万円の土地を500万円で売買すると記載した場合の記載金額は500万円です。

ロ 交換→交換金額

双方の金額が記載してある場合には高い方(等価交換のときは、いずれか一方)の金額が、交換差金のみが記載してある場合にはその交換差金がそれぞれ記載金額となります。

例えば、価額1,000万円の土地と価額1,100万円の土地を交換し、交換差金100万円を支払うと記載した場合の記載金額は1,100万円です。

ハ 代物弁済→代物弁済により消滅する債務の金額

代物弁済の目的物の価額が消滅する債務の金額を上回ることにより、債権者がその差額を債務者に支払うこととしている場合には、その差額を加えた金額となります。

例えば、債務者が借用金1,000万円の支払いに代えて1,500万円相当の土地を引渡し、債権者は債務者に500万円を支払うと記載した場合の記載金額は1,500万円です。

ニ 法人などに対する現物出資→出資金額

ホ その他→譲渡の対価たる金額

(注) 贈与契約においては、譲渡の対価たる金額はありませんから、契約金額はないものとして取り扱われます。

(2) 土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書→設定又は譲渡の対価たる金額

設定又は譲渡の対価たる金額とは、権利金その他名称を問わず後日返還されないものをいいます。なお、賃貸料は記載金額に入りません。

(3) 消費貸借に関する契約書→消費貸借金額

なお、利息金額は含まれません。

(4) 運送に関する契約書→運送料又は用船料

(5) 請負に関する契約書→請負金額

(6) 債務引受けに関する契約書→引き受ける債務の金額

(7) 記載金額が外国通貨により表示されている契約書

その文書を作成した日の基準外国為替相場又は裁定外国為替相場により本邦通貨に換算した金額が、その文書の記載金額となります。

※ 基準外国為替相場及び裁定外国為替相場は、日本銀行のホームページ(http://www.boj.or.jp/)で公表されています。

(8) 予定金額等が記載されている契約書

イ 記載された契約金額等が予定金額又は概算金額 → 予定金額又は概算金額

ロ 記載された契約金額等が最低金額又は最高金額 → 最低金額又は最高金額

(9) 契約の一部についての契約金額のみが記載されている契約書

記載されている一部の金額が記載金額となります。

ただし、契約書に記載された金額であっても、手付金額や内入金額は記載金額に該当しません。

(10) 月単位などで契約金額を定めている契約書

月単位などで定めている契約書で、契約期間の記載があるものは、その金額に契約期間の月数などを乗じて計算した金額が記載金額となります。
契約期間の記載がないものは、契約金額の計算ができませんから、記載金額はないものとされます。

なお、契約期間の更新の定めがあるものについては、更新前の期間のみで計算することになります。

例えば、ビル清掃請負契約書において、「清掃料は月10万円、契約期間は1年間とするが、双方異議なき場合は更に1年延長する。」と記載したものは、記載金額120万円(10万円×12カ月)の第2号文書となります。

(11) 単価、数量などにより契約金額等が計算できる契約書等

その文書に記載されている単価及び数量、記号その他により契約金額等を計算できる場合は、その計算により算出した金額が記載金額となります。

(12) 消費税及び地方消費税の金額が区分記載されている契約書や領収書

消費税及び地方消費税(以下「消費税額等」といいます。)が区分記載されている場合又は税込価格と税抜価格の両方が記載されていること等により、その取引における消費税額等の金額が明らかな場合には、次の文書についてはその消費税額等の金額は記載金額に含めないこととされてます。

イ 第1号文書(売買契約書など)

ロ 第2号文書(工事請負契約書など)

ハ 第17号文書(領収書)

(印法通則4のホ、へ、印基通23から29、消費税法の改正等に伴う印紙税の取扱いについて(平元.3.10付間消3-2))

 

(8)にあるように、単価を記載して年間の取引予定数量を記載すれば金額が計算できるので、それが記載金額になるというわけです。

あと、契約期間が終わったら自動延長の契約書をよく見ますが、(10)にあるように月単位などで定めている契約書で、契約期間の記載があるものは、その金額に契約期間の月数などを乗じて計算した金額が記載金額となります。

契約期間の記載がないものは、契約金額の計算ができませんから、記載金額はないものとされます。

なお、契約期間の更新の定めがあるものについては、更新前の期間のみで計算することになります。

例えば、ビル清掃請負契約書において、「清掃料は月10万円、契約期間は1年間とするが、双方異議なき場合は更に1年延長する。」と記載したものは、記載金額120万円(10万円×12カ月)の第2号文書となります。

こういう逃げ方があったなんて唖然としました。

自動延長イコール7号文書という認識があって、それも是正する必要がありました。

日々勉強ですね。

 

印紙税の取り扱いについてまとめていますので、ぜひ、ご覧ください。

http://sunsunlife.s1005.xrea.com/2018/09/12/post-739/

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