最近ではセキュリティのためICカードを利用した自動開閉装置を設置する会社も増えています。
入室時は許可証がなければ部屋に入ることも出来ず、トイレに行くときなども必ず許可証を持っていなければ締め出されたりするので、肌身離さず許可証を持っていなければなりません。
ちょっと面倒くさいかもしれませんが、情報管理ということを考慮すれば仕方のないことですし、時代の流れということで受け入れなければならないでしょうね。
ところで、セキュリティを強化するにしても、人の出入りを管理するためには機材の設置が不可欠です。今回は、これらの装置の法定耐用年数が何年になるのか調べてみました。
自動開閉装置の耐用年数
自動開閉装置の耐用年数ですが、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第1」において「建物付属設備 エヤーカーテン又はドアー自動開閉設備」の12年を適用します。
ICカードなどを使う高度な自動開閉装置はICチップのデータを読み取る装置やコンピューターも組み込まれていますが、これらの装置も含めて一体として自動開閉装置として取り扱われます。
ただし、自動開閉装置はセンサーやドアーを開けるための電動機や駆動装置などのことをいい、これらの装置はドアー本体とは切り離して考えます。それではドアーはどう取り扱われるのでしょう?
ドアーの取り扱い
ドアーというと「建物」として耐用年数を決めます。確かにドアーだけ償却資産を計上するのは見たことありませんね。
耐用年数の適用等に関する取扱通達2-2-5(エヤーカーテン又はドアー自動開閉設備)
別表第一の「建物附属設備」に掲げる「エヤーカーテン又はドアー自動開閉設備」とは、電動機、圧縮機、駆動装置その他これらの附属機器をいうのであって、ドアー自動開閉機に直結するドアーは、これに含まれず、建物に含まれることに留意する。
引用元:国税庁ホームページ
ところで、入室管理ための自動開閉装置と異なる一般的なセンサーで作動するガラスで作られた自動ドア―についてはどういう風に取り扱われるのか考えてみます。
自動ドアーに使われるガラス部分はドアーと同じなので建物の耐用年数を適用すべきです。その他のセンサーや駆動用のエンジン、減速機などは「建物付属設備 エヤーカーテン又はドアー自動開閉設備」の12年を適用することになるでしょう。
シャッターの取り扱いは?
話は変わりますが、店舗や倉庫などによく使われていつシャッター。
シャッターの耐用年数はというと、これはドアーと同じ役目を果たすので、建物と同じ耐用年数を適用します。
ちなみに、建物の場合、「鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造のもの 事務所用又は美術館用のもの及び左記以外のもの 50年」から「簡易建物 掘立造のもの及び仮設のもの 7年」の耐用年数が適用されます。
ドアーが建物とみなされる考え方として、建物付属設備や備品、構築物以外のものと考えるとはっきりしてきます。
建物付属設備は下記のようなものが挙げられます。
・電気設備
・給排水設備
→倉庫に雨樋を追加で設置した時に倉庫の耐用年数だと長すぎるので給排水設備の15年を使用しました。
・衛生設備
・ガス設備
・冷房、暖房、通風またはボイラー設備
・格納式避難設備
・店用簡易設備
建物の定義が、いまいち条文等で明示されていないので、これらの建物付属設備以外のものが建物であると考えれば、なんかすっきりする気がしますね。
法人税法の取り扱いについて、注意したい点について一覧にまとめていますので、もしよろしかったらご覧ください。