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【秘密】東野圭吾 見た目は娘で中身妻の不可思議ミステリー

死んだ妻の魂を宿した娘と、彼女と夫婦生活を送ることになった中年男の愛の行方を描いた作品。

1999年に滝田洋二郎監督、広末涼子・小林薫主演によって映画化。

2007年にはアメリカ・フランで、リュック・ベッソン制作、ヴァンサン・ペレーズ監督、デイヴィッド・ドゥカヴニー主演によるリメイク作「秘密 THE SECRET」として公開。

2010年には、志田未来主演によってテレビドラマ化される。

東野圭吾 作家紹介

1958年大阪生まれの日本を代表するミステリー作家。

1981年大阪府立大学電気工学科を卒業。

日本電装(現・デンソー)(株)に技術職として入社。

1985年に『放課後』で江戸川乱歩賞を受賞。

1986年に退社して作家に専念。

1999年『秘密』で日本推理作家協会賞を受賞。

2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞。

代表的な作品に加賀恭一郎シリーズとガリレオシリーズがある。

今回ご紹介する作品

書籍情報

題名 秘密
出版社 文藝春秋
発売 1998/09/01
ISBN 9784167110062

登場人物

杉田平介 主人公で自動車部品メーカーの生産工場に勤務するエンジニア。
杉田直子 平介の妻でバスの転落事故で死去。魂が植物状態となった娘である藻奈美に宿ることになる。
杉田藻奈美 平介と直子の子。バスの転落事故で直子が身を呈して守った甲斐もあってか外傷はほとんどなかったものの植物状態になる。
橋本多恵子 藻奈美の小学校時代の担任教師。
藤崎和郎 バスの転落事故の被害者の会のメンバーとして平介と知り合う。娘2人を亡くしていた。
梶川幸広 バスの転落事故を起こし死去したバスの運転手。仕事熱心な性格。超過勤務をしていたことが事故の原因。
根岸文也 幸広の息子。事故当時大学生。
相馬春樹 藻奈美(彼女に宿った直子)の高校時代の先輩。テニス部に所属し、彼女にアプローチをする。

あらすじ

自動車部品メーカーで働く杉田平介は妻・直子と、小学5年生の娘・藻奈美と、平凡ではあるが、幸せな毎日を過ごしていた。そんなある日、長野への帰省のために直子と藻奈美が乗車したバスが崖からの転落事故を引き起こす。2人は病院に運ばれたものの、やがて妻は命を落としてしまう。一方で、娘は奇跡的に意識を回復。だが、その体に宿っていたのは、死んだはずの妻・直子の魂だった。平介が失ったのは、妻となのか、それとも子どもなのか。不思議な秘密を抱えた暮らしは、苦悩の連続だった。

見た目は娘だが、中身は妻である直美は、小学生の娘の姿になったものの、今まで通り家事をこなし、それに加えて、学校にも通うことに。「娘には、今までの自分ができなかった新しい人生を送ってほしい」と強く思う直美。娘として直美は私立中学を受験し、その後は医学部を目指して共学の高校を受験、合格。

夫婦であったはずの2人が、親子になった時の苦悩は想像できるものではない。最愛の妻が自分の世界から少しずつ離れていくことの危機感・嫉妬・疎外感、そして、抑えることのできない妻への独占欲。平介は妻であって娘でもある彼女への関係に悩み苦しむ・・・。

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