「つかのま」は一体どれくらいの時間なのか考えたことがありますか?
今回は「つかのま」というのがどれくらいの時間を指すのか書いていきたいと思います。
「つかのま」というのは一瞬の短い時間
「つかのま」という言葉は、かなり昔から使われていて、「万葉集」の中に次のような歌がのっています。
夏野行く牡鹿の角の束の間も妹が心を忘れて思へや
「つかのま」の「つか」は「束」と書きますが、束は長さの単位です。
人間の指は昔から物の長さを測るのに使われてきました。
「尺」は広げた状態の手の親指の先から中指の先までの長さのことをいいます。
「束」は親指を除いた4本分の指の幅です。
こういう長さの目安で物の大体の長さを測っていたのです。
そうしているうちに、「束」は時間の長さにも用いられるようになりました。
物の長さでいう一束はそれほど長いくありませんので、短い時間を指すのに「束の間」という言葉が使われるようになりました。
一般的に「束の間」の指す時間の長さは、使われる場面によって異なります。
1~2年で人気のなくなってしまったお笑い芸人について、「束の間の人気だった」という表現をしたり、天気について梅雨時期に雨が降り続いていた時に1、2時間晴れたとしたら「束の間の晴れ間」と表現したりします。