遺言書と異なる遺産分割をした場合の課税関係は?

相続の際、遺言書があれば遺産分割もスムーズにいくこともあるでしょうが、場合によっては骨肉の争いに発展します。

さて、通常は相続の際には遺言書が優先されるわけですが、遺言とは異なる内容の遺産分割をした場合は課税関係はどうなるのでしょうか?

遺言の内容はいつでも放棄ができる

遺言によって財産を無償で譲ることを遺贈といいます。

遺贈には包括遺贈と特定遺贈があり、相続財産の全部または割合などで遺贈する方式を包括遺贈、特定の具体的な財産を指定して遺贈する方式を特定遺贈といいます。

民法 第964条

(包括遺贈及び特定遺贈)

遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。

遺贈によって財産を相続する人を受遺者といいますが、特定遺贈については、受遺者は遺言者の死亡後にいつでも遺贈の放棄が出来ます。

民法 第986条

(遺贈の放棄)

受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる。

2 遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

特別の手続きを踏まなくても共同相続人に遺贈の放棄について意思表示することで効力が発生します。

遺贈の放棄がされると、その効果は遺言者の死亡時にさかのぼって効力が発生します。

遺贈の目的物は、特別の指定がなければ共同相続人に帰属することになり、遺贈の目的物が分割可能であれば、一部の放棄を禁じた遺言がある場合を除いて、遺贈の一部放棄が可能と考えられているので、その部分については全部放棄と同じような法律的な効果が発生することになります。

したがって、例えば預金をすべて一人に相続させるという遺言書があったとしても、一部を他の相続人に相続させることは可能となります。

相続税自体、法定相続分で税額が計算され、相続割合によって各人が負担する相続税が決まる仕組みとなっており、遺産分割内容が変わったとしても、配偶者の特例により配偶者の相続税が変わることはあっても、本来負担すべき相続税は変わりません。