税務会計のミチシルベ

勤務地が複数ある場合の通勤手当の非課税限度額

会社員で複数の店舗の責任者として働くため、勤務地が複数になるケースもあります。

この場合、自家用車などで通勤している場合、通勤手当の非課税限度額の適用はどうなるのでしょうか?

一番遠い勤務先の距離で非課税限度額が決められる

自家用車などを利用して通勤する給与所得者に支給される通勤手当は、その距離に応じて一定額までが非課税とされています。

所得税法第9条 次に掲げる所得については、所得税を課さない。

五 給与所得を有する者で通勤するもの(以下この号において「通勤者」という。)がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとして通常の給与に加算して受ける通勤手当(これに類するものを含む。)のうち、一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分として政令で定めるもの

所得税法施行令第20条の2

法第九条第一項第五号(非課税所得)に規定する政令で定めるものは、次の各号に掲げる通勤手当(これに類するものを含む。)の区分に応じ当該各号に定める金額に相当する部分とする。

二 通勤のため自動車その他の交通用具を使用することを常例とする者(その通勤の距離が片道二キロメートル未満である者及び第四号に規定する者を除く。)が受ける通勤手当 次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額

イ その通勤の距離が片道10キロメートル未満である場合

  一月当たり4,200円

ロ その通勤の距離が片道10キロメートル以上15キロメートル未満である場合

  1月当たり7,100円

ハ その通勤の距離が片道15キロメートル以上25キロメートル未満である場合

  1月当たり12,900円

ニ その通勤の距離が片道25キロメートル以上35キロメートル未満である場合

  1月当たり18,700円

ホ その通勤の距離が片道35キロメートル以上45キロメートル未満である場合

  1月当たり24,400円

ヘ その通勤の距離が片道45キロメートル以上55キロメートル未満である場合

  1月当たり28,000円

ト その通勤の距離が片道55キロメートル以上である場合

  1月当たり31,600円

仮に勤務地が3カ所あり、下記のような距離だったとします。

A店舗・・・・・21km

B店舗・・・・・35km

C店舗・・・・・15km

自動車などを利用して複数個所に勤務する人に対する通勤手当については、法令では距離に比例する額を非課税限度額としていて、合理的に案分計算を行うという特段の規定は設けられていません。

したがって、勤務地が複数ある場合は、最も遠い勤務地の通勤距離に応じた金額を非課税限度額として取り扱うことができると考えられます。

よって、上記の場合はB店舗の35kmに対応する金額が適用され、24,400円(片道35km以上45km未満)までが非課税限度額となります。

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