税務会計のミチシルベ

コロナ渦の持続化給付金の収益計上時期?

2020年のコロナ渦、政府の大盤振る舞いとも言える事業者に対する持続化給付金。

個人事業者には要件に該当すれば100万円、法人は200万円が支給されます。

持続化給付金は2020年1月以降にコロナウィルスの影響で売上高が前年同月比50%以上下がっていれば支給対象となります。

ところで、この持続化給付金の収益計上タイミングはいつなのでしょうか?

給付金の支給計上時期は支給決定日

給付金の収益計上時期は、支出した経費の補填を目的にしているかどうかで異なります。

法人税基本通達2-1-42

(法令に基づき交付を受ける給付金等の帰属の時期)

法人の支出する休業手当、賃金、職業訓練費等の経費をほてんするために雇用保険法、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定等に基づき交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が具体的に確定していない場合であっても、その金額を見積り、当該事業年度の益金の額に算入するものとする。(昭55年直法2-8「六」、昭59年直法2-3「一」、昭63年直法2-14「一」、平12年課法2-7「二」、平23年課法2-17「四」、平30年課法2-28「二」により改正)

(注) 法人が定年の延長、高齢者及び身体障害者の雇用等の雇用の改善を図ったこと等によりこれらの法令の規定等に基づき交付を受ける奨励金等の額については、その支給決定があった日の属する事業年度の益金の額に算入する。

雇用保険法を根拠に支出される雇用調整助成金は、休業する労働者に支給する休業手当を補填するための給付金です。したがって、休業手当と給付金を紐づけるために同じ事業年度で計上されなければなりません。

対して、経費支出の紐付けの必要のない給付金は支給決定日に計上することになります。つまり、持続化給付金は支給決定日に計上されなければなりません。

ただ、実務上、持続化給付金は通知書に支給決定日の記載がなく、いつが支給決定日なのかが分かりません。通知書が届く前に入金されているケースも多く、両日より前に支給決定されているのは明白です。

つまり、持続化給付金は、通知書の到達日が入金日の早い方で収益計上すれば問題なさそうです。

税務署は税金等の通知は到達主義を採用

参考までに、税務署は到達主義を採用しているようです。

民法 第97条

(意思表示の効力発生時期等)

意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
2 相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。
3  意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力の喪失し、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。

3月末は政府や自治体の年度末ということもあり、補助金等の支給決定の書面が4月以降になったりします。

公共団体は出納整理期間というものがあり、3月末の未払の歳出を4~5月に支出すれば、さも現金支出があったように取り扱います。つまりも3月末までの支給決定日が記載された通知書が普通に送られてきます。

補助金等の収益計上時期が期末になるときは注意したいものです。

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