普通に日常的に「会社」と言っていますが、しっかり説明できる人は少ないと思います。
会社は法人とも言われたりしますし、会社にも株式会社と合同会社、有限会社といものもあります。
今回は「会社」とはどういう風に定義されているのか調べてみました。
会社は自然人(人間)に対して法人と定義されている
自然人つまり人間は法人と対比する概念となります。
単に「人」とも言いますが、難しく言うと「近代法のもとで、権利能力が認められる社会的実在としての人間のこと」を指し、権利義務を有する者のことをいいます。
自然人に対して、法人は法律上で規定されている法律上の権利義務の主体となることが認められているものを指します。
民法 第33条
(法人の成立等)
法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない。
2 学術、技芸、慈善、祭祀し、宗教その他の公益を目的とする法人、営利事業を営むことを目的とする法人その他の法人の設立、組織、運営及び管理については、この法律その他の法律の定めるところによる。
自然人と法人の権利能力
自然人は生まれながらにして法律上の権利・義務の主体となれるとされています。
自然人に対して法人にも権利能力はあるものの、生命・身体・親族等に関する権利義務の主体となることはできないなど、その性質や法令により制限されています。
民法 第34条
(法人の能力)
法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。
会社法 第476条
(清算株式会社の能力)
前条の規定により清算をする株式会社(以下「清算株式会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。
会社法 第645条
(清算持分会社の能力)
前条の規定により清算をする持分会社(以下「清算持分会社」という。)は、清算の目的の範囲内において、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。
会社の設立
会社を設立することによって権利義務の主体となれるわけですが、その考え方の中に準則主義と許可主義いうものがあります。
準則主義というのは、行政機関の裁量や許認可によらずに法律の規定に則っていさえすれば法人格が付与されるというものです。
準則主義に対して、許可主義というのは逆に行政機関の許認可が法人設立に必要という考え方となります。
基本的に会社は設立登記によって当然に成立するとされています。
会社法 第49条
(株式会社の成立)
株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
会社法 第579条
(持分会社の成立)
持分会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
ただし、会社が登記によって成立したとしても、公益維持の観点から存続を許すべきでないと判断されれば、裁判所の判断により解散させられてしまうこともあります。
会社法 第824条
(会社の解散命令)
裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため会社の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、会社の解散を命ずることができる。
一 会社の設立が不法な目的に基づいてされたとき。
二 会社が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。
三 業務執行取締役、執行役又は業務を執行する社員が、法令若しくは定款で定める会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。