出向や派遣にともなう消費税の課税関係
関係会社へ出向していたり、逆に出向者が会社にいることもあるでしょう。
出向ではないですが、派遣社員が同僚にいるというケースもあります。
出向の場合だと出向元に出向先が支払う給与負担金、派遣の場合は派遣料。
それぞれの消費税の課税関係について調べてみました。
出向の給与負担金は消費税が不課税、派遣料の消費税は課税
自己の雇用する労働者を関係会社で働かせ、給料分を請求するという形を採っているところがあります。
出向契約にもとづいて労働者を出向先で働かせる場合に、出向元で支払った給料分を出向先に負担させる場合は、給与負担金という形で単に経費の立替払いに該当し、資産の譲渡には該当せず、消費税はかからないそうです。
一方、人材派遣とは人材派遣契約に基づいて派遣会社が自己の雇用する労働者を他の事業者に派遣するものを指し、派遣会社が役務の提供をしているということで消費税が課税されます。
派遣労働者の派遣料は消費税がかかりますが、給与負担金はかからないので注意が必要ですね。
出向や派遣にともなう消費税の課税関係に係る根拠条文
以下に出向や派遣にともなう消費税の課税関係に係る根拠条文を記載します。
消費税法第2条第1項第12号
課税仕入れ 事業者が、事業として他の者から資産を譲り受け、若しくは借り受け、又は役務の提供(所得税法 (昭和四十年法律第三十三号)第二十八条第一項 (給与所得)に規定する給与等を対価とする役務の提供を除く。)を受けること(当該他の者が事業として当該資産を譲り渡し、若しくは貸し付け、又は当該役務の提供をしたとした場合に課税資産の譲渡等に該当することとなるもので、第七条第一項各号に掲げる資産の譲渡等に該当するもの及び第八条第一項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるもの以外のものに限る。)をいう。
消費税法基本通達5-5-10(出向先事業者が支出する給与負担金)
事業者の使用人が他の事業者に出向した場合において、その出向した使用人(以下5-5-10において「出向者」という。)に対する給与を出向元事業者(出向者を出向させている事業者をいう。以下5-5-10において同じ。)が支給することとしているため、出向先事業者(出向元事業者から出向者の出向を受けている事業者をいう。以下5-5-10において同じ。)が自己の負担すべき給与に相当する金額(以下5-5-10において「給与負担金」という。)を出向元事業者に支出したときは、当該給与負担金の額は、当該出向先事業者におけるその出向者に対する給与として取り扱う。
(注) この取扱いは、出向先事業者が実質的に給与負担金の性質を有する金額を経営指導料等の名義で支出する場合にも適用する。
消費税法基本通達5-5-11(労働者派遣に係る派遣料)
労働者の派遣の雇用する労働者を当該雇用関係の下に、かつ、他の者の指揮命令を受けて、当該他の者のために労働に従事させるもので、当該他の者と当該労働者との間に雇用関係のない場合をいう。)を行った事業者が当該他の者から収受する派遣料等の金銭は、資産の譲渡等の対価に該当する。
消費税について、知っておきたい豆知識をまとめていますので、ぜひご覧ください。