お金が出ていかない王道的節税「旅費規程を作って税金のかからない経費を作る」

2018年10月16日

会社を経営する上で、売上アップを図り、利益を伸ばしていくことは当然の命題と言えます。

ただし、単に利益を伸ばすと言っても、無駄な税金は払いたくないでしょう。

売上アップで増えた利益を経費を増やして圧縮することも必要です。

そこで、今回は出張手当を利用した節税方法をご紹介します。

出張手当は法人税法の経費になるが受け取った本人には所得税は非課税

法人税法基本通達に下記の定めがあります。

所得税法基本通達9-3

法第9条第1項第4号の規定により非課税とされる金品は、同号に規定する旅行をした者に対して使用者等からその旅行に必要な運賃、宿泊料、移転料等の支出に充てるものとして支給される金品のうち、その旅行の目的、目的地、行路若しくは期間の長短、宿泊の要否、旅行者の職務内容及び地位等からみて、その旅行に通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲内の金品をいうのであるが、当該範囲内の金品に該当するかどうかの判定に当たっては、次に掲げる事項を勘案するものとする。

1.その支給額が、その支給をする使用者等の役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか。

2.その支給額が、その支給をする使用者等と同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものであるかどうか。

出張の多い会社は「出張日当」を支給することでかなりの節税が可能となります。

この出張日当を経費にするためには、まず「旅費規程」を作成しなければなりません。

旅費規程の中で、役員や従業員が出張に行った際に、日当を支給する旨の規定を設けます。

こうすることで、その出張日当を経費にすることができるのです。

この方法の大きなポイントが2つあります。

1つは、この日当は社長のポケットマネーになるにもかかわらず、個人の所得扱いにはならないのです。

つまり、お金をもらうのに税金がかからないのです。

もう1つが、この日当は消費税の課税対象となることです。

これは意味がわかりにくいかもしれませんが、単純に言うと会社で負担する消費税が安くなるのです。

例えば、高額な役員報酬を取っている社長は所得税の税率は45%、住民税も合わせると55%を上回ります。

その社長に、100 万円給与を上乗せしたらその半分以上の55万円は税金にもっていかれるということになりますよね。

ところが、旅費日当は所得の扱いにならず税金がかからないので、100 万円が丸々自分の手元に残るわけです。

金額があまりに高額だと税務署に否認される可能性がありますが、役員の出張日当なら1日2万円くらいまでなら特に問題はないとされています。

1ヶ月に5日間ほどの出張があり、1日の日当が2万円とすると、月の旅費日当は10万円、年間にすると120万円もの経費を税金がかかることなく計上できるのです。

ぜひやっておきたい節税のご紹介でした。

 

法人税法の取り扱いについて、注意したい点について一覧にまとめていますので、もしろろしかったらご覧ください。

【まとめ】法人税について知っておきたい豆知識