永続勤続表彰の課税関係
永年勤続表彰として旅行や記念品をプレゼントする会社も多いでしょう。
表彰の内容によっては20~30万円相当の旅行や記念品になったりするケースもあるようです。
そういった場合の課税関係はどうなっているのでしょうか?
社会通念上相当と認められる金額は非課税
永年勤続表彰として、役員又は使用人に旅行の招待あるいは記念品を支給する場合、所得税法基本通達で定める要件に該当すれば非課税となります。
所得税法基本通達36-21
(課税しない経済的利益……永年勤続者の記念品等)
使用者が永年勤続した役員又は使用人の表彰に当たり、その記念として旅行、観劇等に招待し、又は記念品(現物に代えて支給する金銭は含まない。)を支給することにより当該役員又は使用人が受ける利益で、次に掲げる要件のいずれにも該当するものについては、課税しなくて差し支えない。(昭46直審(所)19改正)
(1) 当該利益の額が、当該役員又は使用人の勤続期間等に照らし、社会通念上相当と認められること。
(2) 当該表彰が、おおむね10年以上の勤続年数の者を対象とし、かつ、2回以上表彰を受ける者については、おおむね5年以上の間隔をおいて行われるものであること。
ただし、表彰として金銭を支給したり、対象者によって金額を変える場合は給与として課税されます。
旅行のパターンとしては、会社が費用を旅行会社に直接支払う場合と旅行クーポンを支給する場合が想定されますが、旅行クーポンを支給する場合は注意する点があります。
直法6-4
昭和60年2月21日国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿国税庁長官
永年勤続記念旅行券の支給に伴う課税上の取扱いについて
標題のことについて、日本放送協会から別紙2のとおり照会があり、これに対して当庁直税部長名をもって別紙1により回答したから了知されたい。別紙1
直法6-3
昭和60年2月21日日本放送協会人事部長
○○○○ 殿国税庁直税部長
○○○○永年勤続記念旅行券の支給に伴う課税上の取扱いについて(昭60.2.15付照会に対する回答)
標題のことについては、貴見のとおり取り扱うこととして差し支えありません。別紙2
昭和60年2月15日
国税庁直税部長
○○○○ 殿日本放送協会人事部長
○○○○
永年勤続記念旅行券の支給に伴う課税上の取扱いについて(照会)
標題の件について、この度、表彰(永年勤続表彰)規程を改正し、下記の内容により一定の永年勤続者を対象として永年勤続記念旅行券支給制度を実施することとなりました。
この制度は、永年勤続者の表彰に当たり、その記念として実施するものであり、これにより表彰対象者が受けることとなる旅行券の支給に伴う経 済的利益については、所得税基本通達(昭45.7.1付直審(所)30)36-21 を適用し、課税を要しないものとして取り扱って差し支えないかお伺いします。
なお、当協会における表彰(永年勤続表彰)規程では、勤続者の勤続年数が満15年到達時に初回表彰を行い、その後5年ごとの間隔をおいて2回目以後の表彰を行うこととしていますが、上記の永年勤続記念旅行券支給制度は、この表彰制度の一環として行うものであることを念のため申し添えます。記
1 支給対象者及び支給額
旅行券の支給対象者及び支給額は次のとおりとします。支給対象者 支給額
満25年勤続者 10万円相当の旅行券
満35年勤続者 20万円相当の旅行券2 支給の時期
旅行券の支給の時期は、採用の月から起算して上記1に掲げる勤続年数に達した月の翌月とします。3 旅行券の送付
旅行券は、上記2の支給月の前月中旬に当協会人事部より各部局庶務部あてに送付します。4 支給の手続
旅行券の支給は、各部局庶務部において所定の支給調書に必要事項(支給対象者の所属・氏名・採用年月・勤続年数・旅行券額等)を記入した上、支給対象者がこれに受領印を押印することにより行うこととします。5 旅行の実施
(1) 旅行の実施は、旅行券の支給後1年以内とします。
(2) 旅行の範囲は、支給した旅行券の額からみて相当なもの(海外旅行を含みます。)とします。
6 旅行実施報告書の提出等
(1) 旅行券の支給を受けた者が当該旅行券を使用して旅行を実施した場合には、所定の報告書に必要事項(旅行実施者の所属・氏名・旅行日・旅行先・旅行社等への支払額等)を記載し、これに旅行先等を確認できる資料を添付して所属各部局庶務部に提出することとします。
(2) 旅行券の支給を受けた者が当該旅行券の支給後1年以内に旅行券の全部又は一部を使用しなかった場合には、当該使用しなかった旅行券は所属各部局庶務部に返還することとします。
社会通念上相当と認められる金額がどれくらいかと言われると判断に迷うかもしれませんが、勤続20年であれば10~20万円ぐらいなら一般的に大丈夫ではないでしょうか。