特殊車両の「車両及び運搬具」と「機械及び装置」の選択

2020年2月12日

車両の構造が特殊な車両や輸送する貨物が特殊な車両で、幅、長さ、高さ、総重量のいずれかの一般的制限値を超えたり、橋、高架の道路、トンネル等で総重量、高さのいずれかの制限値を超える車両を「特殊な車両」といいます(道路法第47条1項)。

制限値は下記の通りです(車両制限令第3条)。

車両の諸元一般制限値(最高限度)
2.5メートル
長さ12.0メートル
高さ3.8メートル
重さ総重量20.0トン
軸重10.0トン
隣接軸重18.0t:隣り合う車軸の軸距が1.8 m未満
19.0t:隣り合う車軸の軸距が1.3 m以上かつ
隣り合う車軸の軸重がいずれも9.5t 以下
20.0t:隣り合う車軸の軸距が1.8 m以上
輪荷重5.0トン
最小回転半径12.0メートル

また、道路を通行するには特殊車両通行許可が必要になります(道路法第47条の2)。

特殊車両には様々なものがあり、例えば建設会社ではにおいてはトラッククレーンやブルドーザーなどの特殊車両を使って作業しますし、運送会社では大型トラックを使って荷物を運んだりします。

ちなみに、救急車などは特殊用途自動車に分類されます。

ところで、これらの特殊車両の法定耐用年数は「車両及び運搬具」と「機械及び装置」のどちらを適用すればよいのでしょうか?

「機械及び装置」は当てはまる業種で耐用年数が変わる

耐用年数の適用等に関する取扱通達では下記の定めがあります。

耐用年数の適用等に関する取扱通達2-5-5

(特殊自動車に該当しない建設車両等)

2-5-5 トラッククレーン、ブルドーザー、ショベルローダー、ロードローラー、コンクリートポンプ車等のように人又は物の運搬を目的とせず、作業場において作業することを目的とするものは、「特殊自動車」に該当せず、機械及び装置に該当する。この場合おいて、当該建設車両等の耐用年数の判定は、1-4-2によることに留意する。

したがって、工事現場で使用されるトラッククレーンやブルドーザーなどの特殊車両は「機械及び装置」となります。

人や物の運搬が主な利用目的である場合は「車両及び運搬具」となります。

参考までに、建設現場におけるトラッククレーンやブルドーザーの耐用年数は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表二」によれば「総合工事業設備 6年」あるいは「前掲の機械及び装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの ブルドーザー、パワーショベルその他の自走式作業用機械設備 8年」を適用することになります。

運送用の車両であれば、「車両及び運搬具」の「運送事業用、貸自動車業用又は自動車教習所用の車両及び運搬具」の2~5年の耐用年数を適用します。

通達1-4-2にあるように、利用状況に応じてどの区分に該当するのか判断するわけです。

耐用年数の適用等に関する取扱通達1-4-2

(いずれの「設備の種類」に該当するかの判定)

機械及び装置が一の設備を構成する場合には、当該機械及び装置の全部について一の耐用年数を適用するのであるが、当該設備が別表第二の「設備の種類」に掲げる設備(以下「業用設備」という。)のいずれに該当するかは、原則として、法人の当該設備の使用状況等からいずれの業種用の設備として通常使用しているかにより判定することに留意する。(平6年課法2-1「三」、平20年課法2-14「四」により改正)