【マスカレード・イブ】東野圭吾 二人のプロフェッショナルが出会う前 マスカレードシリーズ第二弾
累計265万部を突破した「マスカレード」シリーズの第二弾。
前作の「マスカレード・ホテル」の前の話で、主人公の山岸尚子と新田浩介が出会う前の出来事が綴られています。「小説すばる」に掲載された短編3作と書き下ろし「マスカレード・イブ」が収録され、2014年に単行本として発売されました。
2011年9月に集英社より出版され、2014年7月には文庫化。
2014年8月に新田と尚美がであうまでのエピソード集「マスカレード・イブ」が単行本で発売。
2017年9月に「マスカレードシリーズ」第三弾「マスカレード・ナイト」が発売。
2019年1月に木村拓哉・長澤まさみ共演により映画化予定。
東野圭吾 作家紹介
1958年大阪生まれの日本を代表するミステリー作家。
1981年大阪府立大学電気工学科を卒業。
日本電装(現・デンソー)(株)に技術職として入社。
1985年に『放課後』で江戸川乱歩賞を受賞。
1986年に退社して作家に専念。
1999年『秘密』で日本推理作家協会賞を受賞。
2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞。
代表的な作品に加賀恭一郎シリーズとガリレオシリーズがある。
今回ご紹介する作品
書籍情報
題名 | マスカレード・ホテル |
出版社 | 集英社 |
発売 | 2014/07/18 |
ISBN | 9784087452068 |
登場人物
それぞれの仮面 「小説すばる」2013年2月号掲載
山岸 尚美 | フロントクラーク。 |
宮原隆司 | 尚美の大学時代からつきあっていた彼。 |
西村美枝子 | コルテシア東京の宿泊客。1105号室にチェックインした。 |
大山将弘 | 元プロ野球。 |
ルーキー登場 「小説すばる」2013年7月号掲載
新田浩介 | 捜査一課の警部補。 |
田所昇一 | 飲食店を経営する実業家。ジョギング中に殺害される。 |
田所美千代 | 田所昇一の妻 |
横森仁志 | 美千代の料理教室の生徒。 |
岩倉 | 昇一の部下。 |
仮面と覆面 「小説すばる」2014年11月号掲載
山岸 尚美 | フロントクラーク。 |
玉村薫 | ペンネーム「タチバナサクラ」として活動する小説家。 |
望月和郎 | 玉村の担当編集者。一ツ橋出版勤務。 |
目黒和則 | タチバナサクラファンのオタク5人組の一人で栃木在住。 |
犬飼 | タチバナサクラファンのオタク5人組の一人で静岡在住。 |
今村祐二 | 出版社「灸英社」文芸書籍編集部勤務。 |
マスカレード・イブ 書き下ろし
新田浩介 | 捜査一課の警部補。 |
穂積理沙 | 八王子南署生活安全課の女性警察官。 |
南原定之 | 泰鵬大学理工学部准教授。 |
畑山玲子 | 美容サロンやフィットネスクラブを経営する女社長。 |
畑山義之 | 玲子の会社の専務取締役。玲子の夫。畑山家の婿。 |
山本、鈴木 | 泰鵬大学理工学部の助手と学生。 |
田代 | コルテシア大阪の若手フロントクラーク。 |
吉村 | コルテシア大阪のアシスタント・マネージャー。 |
あらすじ
それぞれの仮面 「小説すばる」2013年2月号掲載
コルテシア東京に就職して4年目を迎えていた新米フロントクラーク・山岸尚美の前に大学時代から付き合っていた元彼・宮原隆司が客としてやってきた。元プロ野球選手でタレントとして活躍している大山将弘のマネージャーとして、彼と一緒にチェックインした。その日の夜、宮原は尚美に愛人が自殺を仄めかして失踪してしまったと相談してきた。愛人が以前に自殺未遂騒ぎを起こしていたことから、予断を許さない状況であったが、妻や会社に内密にしたいという宮原の意向を受けた尚美は、宮原が仕事のため海外に経つ明日までに愛人の捜索を開始するのだった。やがて、次々に高価なルームサービスを注文するプレジデンシャル・スイートの客の中に、この騒動に関わっている様々な人間達の仮面の下の素顔を垣間見ることになるのだった。
ルーキー登場 「小説すばる」2013年7月号掲載
捜査一課に配属されて間もない新人刑事の新田浩介は、ホワイトデーの夜に発生した実業家殺害事件の捜査に参加することになった。田所昇一は夜中のジョギング中に殺害され、現場付近には犯人が待ち伏せていたことを示すような5本の煙草の吸殻が残されていた。昇一の周辺で怨恨や痴情のもつれなどの殺害動機の線が浮上せず、捜査が行き詰っている中、新田はふとした閃きから現場が偽装されていることに気付き、やがて昇一殺害の犯人を突き止める。しかし、犯人の動機を調べていると、新田はある人物の仮面の下にある複雑で狡猾な素顔に迫っていくのだった。
仮面と覆面 「小説すばる」2014年11月号掲載
コルテシア東京に典型的なオタク5人組がチェックインした。彼らの目的は、ホテルを予約した人気美人女流作家・タチバナサクラの居場所を突き止め、本人と遭遇することだった。タチバナサクラの担当編集者の望月にその事態を知らせ、トラブルが起きないよう目を光らせる尚美だったが、タチバナサクラとして宿泊したのは、なんと玉村薫と名乗る中年男だった。望月から玉村が女流作家の覆面を被らざるを得ない色んな事情を知った尚美は、あらゆる手段を講じて「タチバナサクラ」に接触しようとするオタク達から、その秘密が明らかになるのを懸命に防ごうとする。だが、一方で缶詰め状態で小説を執筆しているはずの玉村が、度々外出していることに違和感を覚えていた。
マスカレード・イブ 書き下ろし
開業して間もないホテル・コルテシア大阪に、教育係も兼ねて応援として出張勤務する尚美。その一方、東京では大学教授の岡島孝雄が教授室内で刺殺される事件が発生した。所轄の女性警官の穂積理沙と共に捜査にあたった新田は、有力な容疑者として岡島と同じ学部の准教授である南原に目を付ける。犯行時には京都のホテルにいたと主張する南原だったが、いざアリバイを崩されると大阪のホテルに泊まっていたことは認めたものの、そこで密会していた不倫相手の人妻に迷惑をかけられないとホテルや人妻の名前を教えることを頑なに拒否した。共犯者の線が浮かび上がったものの、新田達はアリバイとなるであろう具体的な証言を避ける南原の真意が分からずにいた。やがて執拗な取り調べの中で南原はホテル名を白状する。そのホテルはコルテシア大阪だった。