固定資産税が損金算入される時期

2018年10月16日

ある3月決算法人で、決算後の6月以降に支払うであろう固定資産税を未払計上していたケースがありました。

その処理に疑問を感じ、どういう処理が正しいのかどうか調べてみました。

法人税法と相続税法の取り扱いの違いがポイントです。

租税公課の損金算入は賦課決定が基準になる

法人税法基本通達にその取扱いが定められています。

法人税法基本通達9-5-1(租税の損金算入の時期)

法人が納付すべき国税及び地方税(法人の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されないものを除く。)については、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に定める事業年度の損金の額に算入する。(昭50年直法2-21「25」、昭55年直法2-15「十四」、昭59年直法2-3「六」、平2年直法2-1「七」、平5年課法2-1「八」、平15年課法2-7「二十六」により改正)

(2) 賦課課税方式による租税 賦課決定のあった日の属する事業年度とする。ただし、法人がその納付すべき税額について、その納期の開始の日(納期が分割して定められているものについては、それぞれの納期の開始の日とする。)の属する事業年度又は実際に納付した日の属する事業年度において損金経理をした場合には、当該事業年度とする。

つまり、下記の通り。

① 賦課決定のあった日(納税通知のあった日)の属する事業年度
(→ 賦課決定のあった事業年度)原則的な処理方法!
② ただし、法人がその納付すべき税額について、納期の開始の日(納期が分割して定められている場合には、それぞれの納期の開始の日)の属する事業年度
(→ 納期の開始日の事業年度)
③ 又は実際に納付した日の属する事業年度において損金経理をした場合には、当該事業年度
(→実際に納付した日の事業年度)

よく、勘違いされるのが相続税の債務控除の対象となる固定資産税です。

各種の税金のうち、固定資産税や住民税は「賦課期日」が定められており、その賦課期日(毎年1月1日)によって納税義務が確定したものとして取り扱われます。

つまり、自治体から税金の通知書が未到着であっても、1月1日時点で納税義務が確定しているため、その年分の税金が債務控除の対象となるのわけです。

法人税と所得税、相続税での取り扱いに注意しなければなりませんね。

 

法人税法の取り扱いについて、注意したい点について一覧にまとめていますので、もしろろしかったらご覧ください。

【まとめ】法人税について知っておきたい豆知識