JV(共同企業体)での消費税の納税義務

2018年9月15日

ご存知の方も多いでしょうが、JVとは共同企業体のことで、ひとつの工事を建設会社が共同で施工する方式です。

請け負った建設会社同士で一時的に会社を作り、その会社で工事を施工するという風に説明したほうが分かりやすかもしれませんね。

さて、そこで問題となるのがJVで収益、費用を計上した場合、消費税の納税義務はどうなるのか、という点です。

今回はJVでの消費税の納税義務について解説します。

JV工事は出資割合に応じて収益・費用を案分

JV工事は、出資割合に応じて、その構成員が課税仕入れや課税資産の譲渡等を行ったことになります。

タックスアンサーに下記のような記載してあります。

No.6129共同企業体の納税義務

[平成29年4月1日現在法令等]

建設工事や土木工事では、共同企業体、いわゆるジョイントベンチャーを組んで行われる場合があります。

この共同企業体は、通常、各構成員が共同企業体に対して出資を行い、その出資金の持分割合により、利益の分配を受けることになっています。

この共同企業体は、民法上の組合に当てはまりますので、法人税法上も共同企業体の損益は直接各構成員に帰属するものとして取り扱われます。

また、消費税においても、共同企業体が行う資産の譲渡等や課税仕入れは、各構成員の利益の分配割合に応じて、それぞれの構成員に直接帰属することになります。
したがって、共同企業体が建設機材などの購入や請負った工事の目的物の引渡しを行ったときは、それぞれ各構成員の利益の分配割合に応じて構成員が課税仕入れや課税資産の譲渡等を行ったことになります。

なお、発注者から共同企業体が中間金などの名目で金銭を受領した場合に、その受領した金銭を出資金等の持分割合に応じて、各構成員に配賦金として分配したとしても、工事の発注者に対して目的物の引渡しがなされるまでは、単なる前受金でしかありませんから、消費税の課税関係は生じないことになります。

参考までに消費税法基本通達も記載しておきます。

(共同事業に係る消費税の納税義務)
消費税法基本通達1-3-1
共同事業(人格のない社団等又は匿名組合が行う事業を除く。以下1-3-1及び9-1-28において同じ。)に属する資産の譲渡等又は課税仕入れ等については、当該共同事業の構成員が、当該共同事業の持分の割合又は利益の分配割合に対応する部分につき、それぞれ資産の譲渡等又は課税仕入れ等を行ったことになるのであるから留意する。

 

消費税について、知っておきたい豆知識をまとめていますので、ぜひご覧ください。

【まとめ】消費税について知っておきたい豆知識