再リースは原則、賃貸借処理

2019年5月15日

リース期間が終了した場合、リースしていた物品を買い取るか、再リースするか、場合によってはリース契約を終了し、リースしていた物品を返却することになります。

ところで、最初にリース契約をしたときは、原則的にリースする物品については資産計上することになっています。

それでは、再リースしたときはどのように処理すればよいのでしょうか?

再リースは原則賃貸借処理

再リースとは、契約に基づき当初のリース期間の満了後も当該リース資産の使用収益を継続することをいいます。

一般的には1年契約で、当初の基本年額リース料の12分の1程度の再リース料を支払うことが更新事項として契約に盛り込まれていることが多いようです。

さて、この再リースについては、平成20年4月1日開始事業年度から強制適用されるリース会計基準の適用に当たり、そのリース取引が、売買処理が義務付けられるファイナンス・リース取引に該当するかについては,現在価値基準及び経済的耐用年数基準(指針9)による判定を行うこととされています。

再リース期間については「そのリース取引が置かれている状況からみて借手が再リースを行う意思が明らかな場合を除き、解約不能のリース期間に含めない」とされています(指針11、12)。

また、リース資産の償却年数は、原則、リース期間を耐用年数とすることとされており(基準12)、上記の判定において、再リース期間をリース期間に含めている場合には,「再リース期間をその耐用年数に含めるものとする」(指針27)とされています。

ただし、「再リース期間を耐用年数に含めない場合の再リース料は,原則として,発生時の費用として処理する」(指針29)となっているので、会計上はリース取引の判定時において、再リースする意思が明らかな場合にはリース料総額に含めて処理、そうでない場合には発生時に費用化するというオペレーティング取引と同様の賃借処理を行うことになります。

税務上の取扱いがどうなっているかというと、「再リース料は,原則として,リース資産の取得価額に算入しない。ただし、再リースをすることが明らかな場合には、その再リース料の額は、リース資産の取得価額に含まれる」(法人税法基本通達7-6の2-9 (注)1)としています。

法人税法基本通達7-6の2-9(賃借人におけるリース資産の取得価額)

賃借人におけるリース資産の取得価額は、原則としてそのリース期間中に支払うべきリース料の額の合計額による。ただし、リース料の額の合計額のうち利息相当額から成る部分の金額を合理的に区分することができる場合には、当該リース料の額の合計額から当該利息相当額を控除した金額を当該リース資産の取得価額とすることができる。(平19年課法2-17「十五」により追加)

(注)

1 再リース料の額は、原則として、リース資産の取得価額に算入しない。ただし、再リースをすることが明らかな場合には、当該再リース料の額は、リース資産の取得価額に含まれる。

2 リース資産を事業の用に供するために賃借人が支出する付随費用の額は、リース資産の取得価額に含まれる。

3 本文ただし書の適用を受ける場合には、当該利息相当額はリース期間の経過に応じて利息法又は定額法により損金の額に算入する。

まとめ

結論として、再リース料は賃貸借取引での処理でよいということです。

金額の多寡はあるでしょうが、再リース期間はおおむね1年ですので、1年以内の短期費用(法人税基本通達2-2-14((短期の前払費用)))ということで一括損金での処理となります。

法人税法の取り扱いについて、注意したい点について一覧にまとめていますので、もしよろしかったらご覧ください。