自賠責保険は長期前払費用ではなく、即時の損金算入が可能 

法人税法

会社で自動車を購入した場合や車検の更新時には、必ず加入しなければならないのが自賠責保険です。

この保険は掛け捨てであるとはいえ、新車購入時で3年分、車検時には2年分の保険料を一括払いしなければなりません。

保険期間が1年を超えてしまうので、法人税法で規定する「短期前払費用」の取り扱いが適用できないことになります。

実務上どういう風に取り扱われているのか解説します。

自賠責保険料は一時損金処理

法人税法における前払費用の取扱いにおいて、短期の前払費用については、基本通達で下記のような取扱いするよう規定されています。

短期というのは1年以下のことです。

法人税法基本通達2-2-14(短期の前払費用)

前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。以下2-2-14において同じ。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。(昭55年直法2-8「七」により追加、昭61年直法2-12「二」により改正)

(注) 例えば借入金を預金、有価証券等に運用する場合のその借入金に係る支払利子のように、収益の計上と対応させる必要があるものについては、後段の取扱いの適用はないものとする。

前払費用のうち、その提供される役務が支払日から1年を超える場合には、期間対応の費用としての1年を超える部分は損金算入できません。

ワンイヤールールと言われますが、2年分または3年分の自賠責保険の保険料を支払った場合には、未経過期間に対応する保険料について前払処理が要求されそうです。

しかし、自賠責保険は、
(1)保険契約の締結が強制さてている

(2)保険料の支払いがなければ車検が受けられない

など、他の保険と事なる点があります。

それから、保険契約期間は最長でも3年間、保険料は少額、租税公課と同様な性格を持っているという点を考慮すると、課税庁側では企業がこの自賠責保険料を毎期継続して、支出時の損金に一括計上している場合には、その処理を認めているのが現状のようです。

実際、社有車がたくさんある会社の場合、「自賠責保険をすべてワンイヤールールで処理して下さい」と言われても、経理処理上の負担を考慮すると躊躇してしまうでしょう。

ここはワンイヤールールよりも重要性の原則が重視されたと言ってもよいでしょうね。

蛇足ですが、自動車関連の支出では、自賠責保険のほかに自動車税、自動車取得税、重量税、車検費用などがありますが、これらはいずれも納付日等において一括して損金とすることができます。

税理士が関与している会社では、車両購入時の付随費用はすべて経費処理していると思いますが、取得価額に含めてしまっている会社は見直してみてはいかがですか?

 

法人税法の取り扱いについて、注意したい点について一覧にまとめていますので、もしろろしかったらご覧ください。

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