カーナビの償却年数は?修繕費それとも資本的支出?

2018年8月3日

最近の営業車には「カーナビ」を装備しているものも多く、渋滞を避け、道に迷うことなく目的地に着くことに一役買っているでしょう。
ここでチェックポイントとしてカーナビの耐用年数。カーナビはポン付けされるタイプを除いて、インダッシュタイプは容易に取り外すことが出来ず、自動車と一体とみなされます。また、車に搭載されて初めて機能を発揮するという点も忘れてはなりません。
法人税法において、無線通信機などは「車両に常時搭載する機器」として車両と一括して計上し、車両の耐用年数を適用することとされています。

耐用年数の適用等に関する取扱通達
(車両に搭載する機器) 2-5-1
車両に常時搭載する機器(例えば、ラジオ、メーター、無線通信機器、クーラー、工具、スペアータイヤ等をいう。)については、車両と一括してその耐用年数を適用する。

カーナビは通達上では挙げられていませんが、ラジオなどと同様に車両と車両の耐用年数を適用することになるでしょう。
さて、具体的に償却する場合は二つのパターンがあるでしょう。一つは車輌購入当初からカーナビが搭載されている場合です。カーナビはオプション契約のケースが多く、この場合はカーナビの取得価額を車の取得価額に含めて償却しなければなりません。
もう一つのケースとしてカーナビを後付するケースが考えられます。この場合は、カーナビを後付した時点での車両の残存価額にカーナビの取得価額をプラスして償却を行うのが原則です。ただし、取得価額が20万円未満であれば、「少額資本的支出」(法人税法基本通達7-8-3)として修繕費で処理可能です。

法人税法基本通達
(少額又は周期の短い費用の損金算入)7-8-3
一の計画に基づき同一の固定資産について行う修理、改良等(以下7-8-5までにおいて「一の修理、改良等」という。)が次のいずれかに該当する場合には、その修理、改良等のために要した費用の額については、7-8-1にかかわらず、修繕費として損金経理をすることができるものとする。(昭55年直法2-8「二十六」により追加、平元年直法2-7「五」、平15年課法2-7「二十」により改正)

(1) その一の修理、改良等のために要した費用の額(その一の修理、改良等が2以上の事業年度(それらの事業年度のうち連結事業年度に該当するものがある場合には、当該連結事業年度)にわたって行われるときは、各事業年度ごとに要した金額。以下7-8-5までにおいて同じ。)が20万円に満たない場合

(2) その修理、改良等がおおむね3年以内の期間を周期として行われることが既往の実績その他の事情からみて明らかである場合

(注) 本文の「同一の固定資産」は、一の設備が2以上の資産によって構成されている場合には当該一の設備を構成する個々の資産とし、送配管、送配電線、伝導装置等のように一定規模でなければその機能を発揮できないものについては、その最小規模として合理的に区分した区分ごととする。以下7-8-5までにおいて同じ。

ただし、カーナビを車両購入直後に取り付けた場合は当初からカーナビが取り付けられているとみなされるので注意が必要です。