ビジネスマナー④ 上座と下座

1.上座・下座を覚えておこう

上座(かみざ)・下座(しもざ)という言葉は聞いたことがあるでしょうか?

目上の人やお客様が座る席を上座といい、目下の人や接待する側が座る席を下座といいます。上座の方がより安全で心地良い席となります。

飲食店での座敷や会社での応接室などの部屋の他にも、車、エレベーターにも上座・下座があります。どこが上座か、基本となる条件を覚えておくと接待の時役に立ちます。上座は「奥の席」とも言われ、お客様に上座を勧める時は、「奥の席にどうぞ」と声をかけたりします。

2.上座と下座が大切なワケは

上座と下座という言葉は、馴染みが薄くてピンと来ない方も多いかもしれません。しかし、実は上座と下座はとても重要なマナーであり、これを間違えたり、怠っていると、お客様を大いに怒らせてしまうことにもなるので注意が必要です。

上座と下座は座る位置(席)、立つ位置のことです。「お客様と社員」「上司と部下」「先輩と後輩」というように、役職や年齢、立場に対しての敬意の現れを示すものです。地位・役職・年齢が無視されたらどうなりますか?自分の存在そのものを否定されたり、無視されたり、ぞんざいに扱われたという気持ちになってしまいます。

日本人の位置や順番に対する感覚は、実はたいへん敏感です。たとえば、会合や世界各国の代表が集まるような国際会議の席の写真撮影は毎年話題になります。何が話題になるかというと、立ち位置です。日本の総理大臣がどの位置に立って、写真に収まることができるかということに注目が集まります。

上座である中央の位置に立てば、重要視されたと捉えられ、隅の方の位置に立てば軽視されたと捉えるられるからです。

したがって、上座と下座にたいして日本人はとても敏感であり、粗相のないように、社会人として正しい知識を身につけることが大事です。

2. 応接室での上座

応接室での上座の条件は、下記のとおりです。

・入り口から遠い

・ソファと肘掛椅子の場合はソファが上座

・絵が掛かっている場合は、絵を正面から見ることの出来る位置

①が一番の上座(上席)、

②、③、④という順になります。

和室の場合は、床の間に近い席が上座となります。床の間が神聖な場所だからという理由です。

3.タクシーの上座

タクシーの上座の条件は、下記のとおりです。

・安全性(運転席の後ろが一番安全)
・乗り心地

タクシーでの上座は、①→②→③→④となります。

理由は、運転席の後ろが一番安全なので①が一番の上座です。

③は、事故がおきた時に前方に飛ばされてしまう危険性の強い席です。

④は、タクシーの場合、行き先の案内や、料金のやり取りなど、幹事的な役目の席となるので、一番の下座です。

4.エレベーターの上座

エレベーターの上座は、①→②→③→④の順になります。

操作ボタンの前が下座です。

お客様をエレベーターにご案内する時は、先にエレベーターに乗り込み、「開く」のボタンを押してお客様を招き入れます。先にお客様に乗っていただく場合は、外のエレベーターのボタンを押してお客様をご案内します

5.会社の人の順番は何で決まるのでしょうか?

社内の順番は、

1.役職

2.勤続年数

3.年齢

この3つで決まります。

一番に考えるのが役職です。

同じ役職の場合は勤続年数を見て、役職も勤続年数も同じ場合は、年齢で判断します。

6.譲るという気持ちが大切

上座・下座という基本のマナーがありますが、
実際には、いろいろなケースがあります。
時には、お客様が心地良いかどうかを基準に、臨機応変な対応も必要です。
お客様を大切にする気持ち、そして自分は譲るという気持ちを大切にしていきましょう。