法人が負担する保釈金の取扱い

法人税法

法人税では法人自体に課される罰科金や過料については、所得計算する上で損金不算入となっています。

法人税法第55条

(不正行為等に係る費用等の損金不算入)

内国法人が、その所得の金額若しくは欠損金額又は法人税の額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装すること(以下この項及び次項において「隠蔽仮装行為」という。)によりその法人税の負担を減少させ、又は減少させようとする場合には、当該隠蔽仮装行為に要する費用の額又は当該隠蔽仮装行為により生ずる損失の額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

4 内国法人が納付する次に掲げるものの額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
一 罰金及び科料(通告処分による罰金又は科料に相当するもの及び外国又はその地方公共団体が課する罰金又は科料に相当するものを含む。)並びに過料

また、役員や使用人に対して課された罰科金や過料を法人が負担した場合は、それらが業務遂行に関連して課されたものも同じように損金不算入となり、業務外のものであれば役員や使用人への臨時の給与、つまり賞与とされます。

法人税法基本通達9-5-8

(役員等に対する罰科金等)

法人がその役員又は使用人に対して課された罰金若しくは科料、過料又は交通反則金を負担した場合において、その罰金等が法人の業務の遂行に関連してされた行為等に対して課されたものであるときは法人の損金の額に算入しないものとし、その他のものであるときはその役員又は使用人に対する給与とする

ところで、「闇カルテル」や「談合」などで会社役員が逮捕されたり拘留されたりするケースがありますが、「保釈金」を法人が負担した場合はどういう取り扱いになるのでしょうか。

個人的な理由による「保釈金」の法人負担は貸付金

「保釈金」は拘留中の被告人を釈放するために収める「保証金」であり、罰科金などとは性質が異なります。

被告人が公判に出頭することを前提に、裁判所が犯罪の性質や被告人の性格、資産状況などを考慮して保証金の金額が決定されます。

保証金は、被告人が公判に出頭すれば返還される仕組みになっています。

業務に関連するものであれば、裁判所に支払った保証金は単なる仮払金で処理され、返還されれば仮払金を受け入れることになり、損益計算には何ら影響しません。

ただし、役員の個人的な保証金を法人が肩代わりした場合は、役員に対する貸付金に該当し、利息の支払い義務が生じます。

仮に、利息や貸付金を免除したとしたら、役員に対する賞与ということになります。

法人税法基本通達9-2-10

(給与としない経済的な利益)

法人が役員等に対し9-2-9に掲げる経済的な利益の供与をした場合において、それが所得税法上経済的な利益として課税されないものであり、かつ、当該法人がその役員等に対する給与として経理しなかったものであるときは、給与として取り扱わないものとする。

 

法人税法
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税務会計のミチシルベ

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