身元保証書は印紙税が非課税

会社が社員を採用する際に誓約書や身元保証書を提出させる会社は少なくありません。

誓約書については「院自然法別表第一(課税物件表)」に掲げられている20種類の文書には該当せず、原則的には印紙税の課税文書に該当しません。

それでは身元保証書はどうかというと、第13号文書の「債務の保証に関する契約書」に該当する可能性がありますが、実際はどうなのでしょうか?

「身元保証に関する法律」に定める身元保証に関する契約書は印紙税が非課税

入社する際に提出する誓約書には保証人の事項を併記することが多いです。

たとえば、誓約書の文言は下記のようなものです。

1.貴社の就業規則及びその他の諸規則を遵守し、誠実に勤務します。

2.故意又は重大な過失により記者に損害を与えた場合は、貴社の被った損害についてこれを賠
償します。

3.身元保証人は、誓約書の内容を確実に実行させることに努め、その身元を引き受けます。本人の行為によって貴社に損害を与えた場合は本人と連帯して処理いたします。

身元保証は会社が社員の原因で負うことがある損害の賠償を身元引受人が担保することです。

身元保証書は損害賠償債務を保証するため印紙税法の第13号文書「債務の保証に関する契約書」に該当しますが、第13号文書の非課税物件に「身元保証に関する法律に定める身元保証に関する契約書」が記載されていて、印紙税の課税文書に該当しません。

印紙税の課税について判断に迷うことがありますが、国税庁のタックスアンサーに次のように記載されていますので参考にしてください。

No.7100 課税文書に該当するかどうかの判断

印紙税が課税されるのは、印紙税法で定められた課税文書に限られています。この課税文書とは、次の三つのすべてに当てはまる文書をいいます。

(1) 印紙税法別表第一(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により証明されるべき事項(課税事項)が記載されていること。
(2) 当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること。
(3) 印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと。
課税文書に該当するかどうかはその文書に記載されている内容に基づいて判断することとなりますが、当事者の約束や慣習により文書の名称や文言は種々の意味に用いられています。そのため、その文書の内容判断に当たっては、その名称、呼称や記載されている文言により形式的に行うのではなく、その文書に記載されている文言、符号等の実質的な意味を汲み取って行う必要があります。
例えば、文書に取引金額そのものの記載はないが、文書に記載されている単価、数量、記号等により、当事者間において取引金額が計算できる場合は、それを記載金額とし、また、売掛金の請求書に「済」や「了」と表示してあり、その「済」や「了」の表示が売掛金を領収したことの当事者間の了解事項であれば、その文書は、売上代金の受領書(第17号の1文書)に該当することになります。
課税物件表については、コード7140及び7141をご覧ください。
なお、印紙税は契約書に記載された内容により取扱いが異なりますのでご注意ください。