赤字であれば法人税の調査は来ない?
会社が赤字であれば、若干修正が生じたとしても法人税を納付するケースはあまりないでしょう。
ただし、赤字の会社でも税務調査があることもあります。
脱税していて、その疑いをかけられた場合は調査があるでしょうし、他の税目が目的で税務調査があることもあります。
今回は赤字の会社の税務調査についてです。
赤字の会社は税務調査されにくい
赤字の会社は法人税がゼロとなります。
税務調査を行って、若干赤字が少なくなったとしても、赤字であれば法人税はかかりません。
費用対効果を考えても納税額が増えなければ税務調査をする意味がありませんので、調査したがらないのが実情なのでしょうね。
それから、青色申告書を提出する法人は平成30年4月1日以後に開始する事業年度に発生する赤字は、翌年度以降10年間に繰り越せることになっています。
前期に赤字で今期黒字の場合、今期の黒字から前期の赤字を差し引くことができる制度です。
「欠損金の繰越控除」と言われる制度で、赤字が累積されている会社も税務調査があったとしても法人税の追徴が起きにくいので、税務調査が行われる可能性は少なくなります。
赤字でも税務調査が行われる理由は?
会社で払う税金は法人税だけではありません。
売上高が1,000万円以上であれば消費税の納税義務がありますし、給与や報酬の源泉所得税も納めなければなりません。それから、契約書には印紙を貼らなければなりません。
これらの税目を目的とした税務調査が実施されることもあるわけです。
法人税の納付はなくても、消費税や源泉所得税が追徴されたりするわけですね。
消費税には誤りが多い
税務調査があった場合、消費税の誤りを指摘されるケースが多いようです。
消費税が課税される、それとも課税されないかの課非区分の誤りあった場合は納税すべき消費税が増えたり、場合によっては少なくなったりします。
基本的に国内の取引には消費税がかかりますが、一部の取引には消費税がかかりません。
例えば、保険料、慶弔費の金銭、税金などに消費税はかからないので、これらの取引を課税処理していた場合、納める消費税が少なくなってしまいますので消費税の修正が必要になります。
源泉所得税の調査が目的での税務調査
法人税の申告義務のある法人については、法人税や消費税の税務調査と同時に源泉所得税についても調査が行われます。
社会福祉法人などは法人税の課税所得がなければ税務署への申告は必要がありませんが、従業員を雇用している以上は源泉所得税の納付義務がありますので、その税務調査が行われることがあります。
源泉所得税は給料を受け取っている人が負担するものなので、法人に関係ないように思われますが、従業員の扶養の誤りや報酬の税率に誤りがあった場合、本来の徴収額と少なく徴収した金額の差額についての加算税が生じたりします。