短期前払費用の消費税の取り扱い

2019年10月1日から軽減税率対象の取引を除いて消費税が10%となります。

法人税法においては短期前払費用として1年以内の費用を前払いした場合には損金算入して構わないことになっています。

法人税法基本通達2-2-14

(短期の前払費用)

前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。以下2-2-14において同じ。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。(昭55年直法2-8「七」により追加、昭61年直法2-12「二」により改正)

引用元:国税庁ホームぺージ

ところで、短期前払費用として支払う場合に2019年9月30日までのものは消費税8%、2019年10月1日以降のものは消費税10%というケースがでてきます。

消費税率が混在する場合の取り扱いはどうなるのでしょうか?

消費税10%の消費税相当分は仮払金として処理

結論からいうと、消費税率10%の適用は施行日以降となっています。

したがって、施行日前の新税率の部分については消費税の計算には折り込むことができません。

短期前払費用の税抜金額部分は損金算入可能ですが、消費税相当額部分は仮払金として処理し、施行日以後の申告時の計算に反映させる必要があります。

例えば、3月決算法人で2018年12月に10,000円/月の保守料を年払いしたとします。

1~9月 10,800円×9か月=97,200円(内消費税7,200円)

10~12月 11,000円×3か月=33,000円(内消費税3,000円)

消費税10%の消費税相当分を翌期に繰り延べ

支払手数料 120,000 / 現預金 130,200

仮払消費税 7,200(8%分)

仮払金 3,000(10%分)

翌期の処理

仮払消費税3,000 / 仮払金 3,000

ケースとしては少ないかもしれませんが、経理担当者や会計事務所職員は注意しておきたいところです。