パーティー券の購入費は接待交際費?寄付金?

法人税法

会社の経営者になると、ロータリークラブや同業者団体など、様々な団体に参加して営業活動に奔走することになります。

また、場合によっては取引先との付き合いから政治活動にも参加することになり、政治資金パーティーへの参加を打診されることもあります。

単なる資金集めと言えばそれで終わってしまいますが、会社経理上の問題としてパーティー券の購入費が接待交際費なのか、それとも寄付金なのか頭を悩ませるのではないでしょうか?

政治資金パーティーと寄付金の定義は?

政治資金と言えば、後援会や政党への寄付、政治資金パーティーなどが挙げられます。

政治資金パーティについては政治資金規正法で規定されています。

政治資金規正法 第8条の二

(政治資金パーティーの開催)

政治資金パーティー(対価を徴収して行われる催物で、当該催物の対価に係る収入の金額から当該催物に要する経費の金額を差し引いた残額を当該催物を開催した者又はその者以外の者の政治活動(選挙運動を含む。これらの者が政治団体である場合には、その活動)に関し支出することとされているものをいう。以下同じ。)は、政治団体によつて開催されるようにしなければならない。

また、寄付については下記のように規定されています。

政治資金規正法 第4条

3 この法律において「寄附」とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付で、党費又は会費その他債務の履行としてされるもの以外のものをいう。

4 この法律において「政治活動に関する寄附」とは、政治団体に対してされる寄附又は公職の候補者の政治活動(選挙運動を含む。)に関してされる寄附をいう。

寄付金は無償の対価として取り扱われるのに対して、パーティー券の購入は何らかの「債務の履行である」ある点で区別されています。

接待交際費と寄付金の税務上の取り扱い

法人税法での交際費

法人税法における交際費の取り扱いについてはタックスアンサーで解説されています。

No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算

そもそも、交際費については租税特別措置法において規定されています。

租税特別措置法 第61条の4

(交際費等の損金不算入)

法人が平成二十六年四月一日から平成三十二年三月三十一日までの間に開始する各事業年度において支出する交際費等の額のうち接待飲食費の額の百分の五十に相当する金額を超える部分の金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
2 前項の場合において、法人(投資信託及び投資法人に関する法律第二条第十二項に規定する投資法人及び資産の流動化に関する法律第二条第三項に規定する特定目的会社を除く。)のうち当該事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額(資本又は出資を有しない法人その他政令で定める法人にあつては、政令で定める金額)が一億円以下であるもの(法人税法第二条第九号に規定する普通法人のうち当該事業年度終了の日において同法第六十六条第六項第二号又は第三号に掲げる法人に該当するものを除く。)については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額をもつて、前項に規定する超える部分の金額とすることができる。
一 前項の交際費等の額が八百万円に当該事業年度の月数を乗じてこれを十二で除して計算した金額(次号において「定額控除限度額」という。)以下である場合 零
二 前項の交際費等の額が定額控除限度額を超える場合 その超える部分の金額
3 前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
4 第一項に規定する交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下この項において「接待等」という。)のために支出するもの(次に掲げる費用のいずれかに該当するものを除く。)をいい、第一項に規定する接待飲食費とは、同項の交際費等のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用(専ら当該法人の法人税法第二条第十五号に規定する役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除く。第二号において「飲食費」という。)であつて、その旨につき財務省令で定めるところにより明らかにされているものをいう。
一 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
二 飲食費であつて、その支出する金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額が政令で定める金額以下の費用
三 前二号に掲げる費用のほか政令で定める費用
5 第二項の規定は、確定申告書等、修正申告書又は更正請求書に同項第一号に規定する定額控除限度額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。
6 第四項第二号の規定は、財務省令で定める書類を保存している場合に限り、適用する。

租税特別措置法施行令 第37条の5

(交際費等の範囲)

法第六十一条の四第四項第二号に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、同項に規定する飲食費として支出する金額を当該飲食費に係る飲食その他これに類する行為に参加した者の数で除して計算した金額とし、同号に規定する政令で定める金額は、五千円とする。
2 法第六十一条の四第四項第三号に規定する政令で定める費用は、次に掲げる費用とする。
一 カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手拭いその他これらに類する物品を贈与するために通常要する費用
二 会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用
三 新聞、雑誌等の出版物又は放送番組を編集するために行われる座談会その他記事の収集のために、又は放送のための取材に通常要する費用

引用元:租税い特別措置法及び租税特別措置法施行令

法人税法において、ひと昔前までは全額損金不算入っだったのですが、改正により、平成26年4月1日以後、交際費等のうち接待飲食費についての接待飲食費の50%を超える分についてが損金不算入となりました。

また、平成26年4月1日以後に開始する事業年度において資本金が1億円以下である法人についは、交際費等の損金算入額は上記の金額あるいは交際費等の金額が800万円までのどちらかを選択することができるようになっています。

法人税法での寄附金

法人税法における寄附金は下記のように規定されています。

法人税法 第37条第7項

前各項に規定する寄附金の額は、寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもつてするかを問わず、内国法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与(広告宣伝及び見本品の費用その他これらに類する費用並びに交際費、接待費及び福利厚生費とされるべきものを除く。次項において同じ。)をした場合における当該金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額によるものとする。

引用元:法人税法

そして、寄附金については5つに区分されています。

1.一般の寄附金

2~4以外の寄附金

2.国等に対する寄附金及び指定寄付金

指定寄付金とは「広く一般に募集されていること」かつ「公益性及び緊急性が高いもの」として財務大臣が指定した寄附金のことを指します。

3.特定公益増進法人に対する寄附金

4.特定公益信託の信託財産とするために支出した金銭

5.認定NPO法人等に対する寄附金

2については全額損金算入されますが、それ以外については損金算入限度額があります。

一般の寄附金の損金算入限度額 =( 資本金等の2.5/1000+所得金額×2.5/100 )×1/4

3~5については下記のような損金算入限度額の計算を行います。

3~5の損金算入限度額 =(資本金等の3.75/1000+所得金額×6.25/100)×1/2

交際費と寄付金は厳密に区分する必要あり

中小企業において交際費はほとんど経費になることから「何でもかんでも交際費で処置しておけばいいや」とお考えの方も多いでしょう。

ただし、寄附金が交際費にまぎれていると所得が少なく計算されていることがあります。

国等への寄附金や指定寄付金であれば影響はありませんが、その他の寄附金であれば損金算入される金額はそれほど多くありません。

政党への寄附金は一般の寄附金に該当しますので、注意が必要です。同業他社あるいは異業種との親睦を深める目的でのパーティー券を購入して実際にパーティーに参加する場合は交際費として処理して問題ないでしょう。

ただし、パー券だけ購入し、パーティーに行かないようなケースや大量に購入して参加するのは一人だけといったケースも寄附金に認定される可能性が非常に高くなります。

交際費に寄附金が含まれていないか、今一度ご確認ください。

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