GoToトラベルにおける旅⾏代金は全額が消費税課税仕⼊

コロナ禍で、景気浮揚の施策として実施された「GoToトラベル」。

期間は2020年7月22日~2021年3月15日とされていて、商品の販売期間は2020年7月22日~2021年1月31日。
「GoToトラベル」は、宿泊や⽇帰りの国内旅⾏を対象に、旅⾏代⾦の1/2相当額(1⼈1泊当たり2万円が上限)が国から旅⾏者に⽀援されるものです。

⽀援額のうち、7割(旅⾏代⾦の35%)相当額は旅⾏代⾦に充当され、残り3割(旅⾏代⾦の15%)相当額は,旅⾏先の⼟産物店等での商品代⾦等の⽀払いに利⽤できる地域共通クーポンとして旅⾏者に給付されます。連泊や利用回数に制限はありません。

旅⾏代⾦の充当、地域共通クーポン、いずれも会社の出張などビジネスで宿泊等をする場合も給付の対象となるようです。

ところで、旅行代金や共通クーポンに対する消費税の取扱いはどうなっているのでしょうか?

仕組みとしては旅行代金一部を国が補助するもの

旅⾏代⾦の充当されるわけですが、旅⾏者は国から直接給付⾦を受け取るわけではなく、旅⾏業者が旅⾏者に代わって、国から給付⾦を受け取る形となります。旅⾏者の現⾦⽀出が少なくなり、旅⾏代⾦が値引きされたようにも思えるのですが、旅行代金の部を国が補助している仕組みで、旅⾏代⾦そのものが値引きされているわけではありません。

この場合の消費税の課税関係については旅⾏業者が販売する旅⾏商品の対価の額は変わらず、旅⾏代⾦全額が消費税の課税対象になるようです。

例えば旅行代金が税込22,000円だった場合、旅行者が22,000円×65%=14,300円を旅行業者へ支払い、GoToトラベル事務局が22,000円×35%=7,700円を旅行業者へ支払い、全部で22,000円の旅行代金を旅行業者が受け取ることになります。払う人が違うだけで、売上は一緒になるわけですね。

参考までに、出張でGoToトラベルを使うケースを考えてみます。

従業員に税込11,000円旅行代を支援分の含めて精算してもらう場合は下記の通り。
旅費交通費10,000円/現金11,000
仮払消費税1,000円/

支援分3,850円を清算しない場合か下記の通り。
旅費交通費10,000円/現金7,150
仮払消費税1,000円/雑収入3,850(不課税)

なんか、ちょっと分かりにくいですね。
しっかり処理しないと控除する消費税が少なくなってしまい、納付する消費税が多くなってしまうので注意が必要です。

また、小規模な旅行代理店によっては受け取った旅行代金だけを売上と計上し、後日入金される国からの支援金を補助金で処理すると課税売上高の総額が狂ってきますし、支援金受領時に売上計上したとしても本当の売上日とずれてしまいます。

消費税課税事業者の義務判定や期ずれに納付額の間違いが生じる可能性があるので注意が必要ですね。