雑誌の年払いは短期前払費用を適用できる?

最近では色々なサービスのサブスクリプションがあります。

飲食店や美容室など一か月に何度行っても定額でサービスを受けられます。

ヘアースタイルを気にする女性にとっては毎月定額で何度でも美容室に行けるのはとても良いさーびすなのでしょうね。

ラーメン好きにとって好きなラーメン屋さんのラーメンが毎月定額で食べ放題というのは魅力的なのかもしれません。

ところで、サブスクリプションとは定期購買のことなんですが、昔から雑誌は定期購買があります。

1年分の購読料を前払いして、定期的に雑誌が送られてくるサービスです。

この雑誌の定期購買の費用は短期前払費用として支払った時に経費として処理できるのでしょうか?

定期購読は本が届くときに費用処理

法人税基本通達に下記の定めがあります。

法人税基本通達2-2-14

(短期の前払費用)

前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。以下2-2-14において同じ。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。(昭55年直法2-8「七」により追加、昭61年直法2-12「二」により改正)

(注) 例えば借入金を預金、有価証券等に運用する場合のその借入金に係る支払利子のように、収益の計上と対応させる必要があるものについては、後段の取扱いの適用はないものとする。

法人税法上の短期前払費用は下記の4つの要件全てを満たす費用でなければならないとされています。

①一定の契約に従って継続的に提供を受けること。すなわち、等質等量のサービスがその契約期間中継続的に提供されること。

②役務の提供の対価であること。

③翌期以降において時の経過に応じて費用化されるものであること。

④現実にその対価として支払ったものであること。

②を見てピンと来た人がいると思いますが、雑誌の定期購読は役務の提供(サービスの提供)ではなく、雑誌の購入です。ということは、この時点で短期前払費用の要件を満たさなくなります。

定期購読を短期前払費用として処理しないように注意しましょう。

それから、毎月払いの契約をしている家賃を今年は利益が出たから1年分を前払いしたとしても単なる利益操作とみられてしまうので、契約書を年払いにした上で期末までに1年分を支払うようにしましょう。