簿記論 間違い備忘記録 Part4 外貨建借入金の振当処理と独立処理

[計算前提]

・事業年度  ×1年4月1日~×2年3月31日

・借入日   ×1年12月1日

・為替予約日 ×1年12月1日(借入と同時)

・買入金額  1,000千ドル

・返済日   ×2年11月30日

・金利    3%

・直物レート ×1年12月1日 101円 ×2年3月31日 105円

・予約レート ×1年12月1日 98円 ×2年3月31日 102円

・直先差額は利息の調整項目とする

・元利総額について為替予約を行う

 

[振当処理の各時点の仕訳(単位:千円)]

・×1年12月1日 借入時・為替予約時

現金預金 101,000(*1) / 借入金  98,000(*2)

               前受収益 3,000(*3)

*1 1,000千ドル×SR101円=101,000千円

*2 1,000千ドル×FR98円=98,000千円

*3 差額

・×2年3月31日

①直先差額の期間配分

前受収益 1,000(*1) / 支払利息 1,000(*2)

*1 3,000×4月/12月=1,000

*2 通常は為替差損益だが、指示通り支払利息とする

②利息の見越計上

支払利息 980 / 未払費用 980

*1,000千ドル×3%×4月/12月×FR98円=980千円

 

[独立処理の各時点の仕訳(単位:千円)]

・×1年12月1日 借入時

現金預金 101,000(*) / 借入金  101,000(*)

* 6,000千ドル×SR101円=101,000千円

・×1年12月1日 予約時

仕訳なし

・×2年3月31日 決算時

①借入金の期末換算替

為替差損益 4,000(*) / 借入金 4,000(*)

* 1,000千ドル×CR105円-101,000千円=4,000

②利息の見越計上

支払利息 1,050(*) / 未払費用 1,050(*)

* 1,000千ドル×3%×4月/12月×CR105円=1,050千円

③為替予約の期末評価

為替予約 4,120(*) / 為替差損益 4,120(*)

* (1,000千ドル+1,000ドル×3%)×(決算時FR102円-予約日FR98円)=4,120

 

[用語説明]

・SR(スポットレート)・・・・・直物取引相場

・CR(カレントレート)・・・・・決算時相場

・FR(フォワードレート)・・・・先物取引相場

*参考

・HR(ヒストリカルレート)・・・取得時相場

・AR(アベレージレート)・・・・期中平均相場

・HC(ヒストリカルコスト)・・・外国通貨による原価

・CC(カレントコスト)・・・・・外国通貨による直原価