キャンセル料の消費税の取り扱い 取り扱い方で消費税の納税額に違いが・・・

消費税法

キャンセル料は2種類に分類されます。

ひとつ目は解約に伴う事務手数料としての性格を持つもの。二つ目は解約に伴い生じる逸失利益に対する損害賠償金としての性格を持つものです。

これらの消費税の扱いはどのようになるのかを説明します。

キャンセル料の取り扱いによっては消費税計算に違いが生じる

消費税の課税対象となる取引「資産の譲渡等」とは

消費税の課税対象となる「資産の譲渡等」には大きく分けて三つあります。

1.資産の譲渡

「資産の譲渡」とは、仕入れた商品や製品などを販売したりすることをいいます。したがって、例えば、商品や製品の販売をはじめ、事業用設備を売却することが資産の譲渡に当たります。また、これら有形の資産に加えて、例えば、特許権や商標権などの無体財産権の譲渡も資産の譲渡に含まれます。

2.資産の貸付け

「資産の貸付け」とは、資産に係る権利の設定など他の者に資産を使用させる一切の行為をいいます。例えば、不動産の賃貸、物品のレンタルなどがこれにあたります。

また、無体財産権の実施権や使用権等を設定して使用料を受け取ることも「資産の貸付け」に含まれます。

3.役務の提供

「役務の提供」とは、例えば、土木工事、修繕、運送、保管、印刷、広告、仲介、興行、宿泊、飲食、情報の提供、出演などの「役務(サービス)」を提供することをいいます。

医師、弁護士、公認会計士、税理士などによるその専門的知識、技能等に基づく役務の提供も含まれます。

解約に伴う事務手数料としてのキャンセル料は消費税の課税対象

解約手続などの事務を行う「役務の提供(いわゆるサービス)」の対価となるので課税の対象となります。例えば、航空運賃のキャンセル料で、解約すれば常に事務手数料として一定額を支払うこととされている金額です。

逸失利益に対する損害賠償金としてのキャンセル料は消費税の課税対象外

本来得ることができたであろう利益がなくなったことに対する補てん金なので、資産の譲渡等の対価に該当せず、課税の対象となりません。例えば、上記キャンセル料における「一週間前のキャンセルは50%」といった部分です。

なお、請求書等において、解約手数料等に相当する部分と損害賠償金に相当する部分とに分けて記載されていない場合には、その全額を課税の対象としないで処理することとされています。

関係条文

消費税基本通達5-2-5

損害賠償金のうち、心身又は資産につき加えられた損害の発生に伴い受けるものは、資産の譲渡等の対価に該当しないが、例えば、次に掲げる損害賠償金のように、その実質が資産の譲渡等の対価に該当すると認められるものは資産の譲渡等の対価に該当することに留意する。

(1) 損害を受けた棚卸資産等が加害者(加害者に代わって損害賠償金を支払う者を含む。以下5-2-5において同じ。)に引き渡される場合で、当該棚卸資産等がそのまま又は軽微な修理を加えることにより使用できるときに当該加害者から当該棚卸資産等を所有する者が収受する損害賠償金

(2) 無体財産権の侵害を受けた場合に加害者から当該無体財産権の権利者が収受する損害賠償金

(3) 不動産等の明渡しの遅滞により加害者から賃貸人が収受する損害賠償金

 

消費税基本通達5-5-2

予約の取消し、変更等に伴って予約を受けていた事業者が収受するキャンセル料、解約損害金等は、逸失利益等に対する損害賠償金であり、資産の譲渡等の対価に該当しないが、解約手数料、取消手数料又は払戻手数料等を対価とする役務の提供のように、資産の譲渡等に係る契約等の解約又は取消し等の請求に応じ、対価を得て行われる役務の提供は、資産の譲渡等に該当することに留意する。

例えば、約款、契約等において解約等の時期にかかわらず、一定額を手数料等として授受することとしている場合の当該手数料等は、解約等の請求に応じて行う役務の提供の対価に該当する。

なお、解約等に際し授受することとされている金銭のうちに役務の提供の対価である解約手数料等に相当する部分と逸失利益等に対する損害賠償金に相当する部分とが含まれている場合には、その解約手数料等に相当する部分が役務の提供の対価に該当するのであるが、これらの対価の額を区分することなく、一括して授受することとしているときは、その全体を資産の譲渡等の対価に該当しないものとして取り扱う。

実務上での取り扱いの有利不利

さて、実務上ですが、キャンセル料を支払う場合は消費税が課税となったほうが、消費税の支払いが少なくなります。逆に、キャンセル料を徴収する場合は、消費税が課税されないほうが支払う消費税が少なくてすみます。

どういう取り扱いをするかは、それぞれの会社で決められるわけですが、受け取るケースが多い会社では、損害賠償金としてのキャンセル料と位置付けて処理したほうが、消費税が少なくなるので無難な気がします。

 

消費税について、知っておきたい豆知識をまとめていますので、ぜひご覧ください。

http://sunsunlife.s1005.xrea.com/2018/09/12/post-767/

 

消費税法
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税務会計のミチシルベ

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