差額ベット代に消費税が課税されるのをご存知ですか?

2018年10月11日

自由診療の収入が消費税の課税対象になることをご存知でしょうか?
小規模なクリニックでは自由診療がそれほどない場合には、課税売上高が1,000万円以上になることはそうありません。

しかし、病院の場合、規模も大きくなることから、自由診療が1,000万円を超えて消費税の課税事業者になることが多いです。

そこで気をつけなけらばならないのが「差額ベット代」の消費税の処理です。

今回は「差額ベッド代」の消費税の取扱いについて解説します。

差額ベッド代の消費税の取扱い

下記に主な消費税の非課税取引を挙げておきます(タックスアンサーより)。

消費税は基本的にほとんどの取引で課税されるので、非課税取引を押さえておいた方が課税、非課税の判断がしやすいです。

非課税取引を押さえておけば、他の取引は課税取引となるわけです。

タックスアンサーNo.6201 非課税となる取引

(1)土地の譲渡及び貸付け

土地には、借地権などの土地の上に存する権利を含みます。
ただし、1か月未満の土地の貸付け及び駐車場などの施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税取引には当たりません。

(2)有価証券等の譲渡

国債や株券などの有価証券、登録国債、合名会社などの社員の持分、抵当証券、金銭債権などの譲渡
ただし、株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権などの譲渡は非課税取引には当たりません。

(3)支払手段の譲渡

銀行券、政府紙幣、小額紙幣、硬貨、小切手、約束手形などの譲渡
ただし、これらを収集品として譲渡する場合は非課税取引には当たりません。

(4)預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等

預貯金や貸付金の利子、信用保証料、合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬、保険料、保険料に類する共済掛金など

(5)日本郵便株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡及び地方公共団体などが行う証紙の譲渡

(6)商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡

(7)国等が行う一定の事務に係る役務の提供

国、地方公共団体、公共法人、公益法人等が法令に基づいて行う一定の事務に係る役務の提供で、法令に基づいて徴収される手数料

なお、この一定の事務とは、例えば、登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付などです。

(8)外国為替業務に係る役務の提供

(9)社会保険医療の給付等

健康保険法、国民健康保険法などによる医療、労災保険、自賠責保険の対象となる医療など

ただし、美容整形や差額ベッドの料金及び市販されている医薬品を購入した場合は非課税取引に当たりません。

(10)介護保険サービスの提供

介護保険法に基づく保険給付の対象となる居宅サービス、施設サービスなど

ただし、サービス利用者の選択による特別な居室の提供や送迎などの対価は非課税取引には当たりません。

(11)社会福祉事業等によるサービスの提供

社会福祉法に規定する第一種社会福祉事業、第二種社会福祉事業、更生保護事業法に規定する更生保護事業などの社会福祉事業等によるサービスの提供

(12)助産

医師、助産師などによる助産に関するサービスの提供

(13)火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供

(14)一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け

義肢、盲人用安全つえ、義眼、点字器、人工喉頭、車いす、改造自動車などの身体障害者用物品の譲渡、貸付け、製作の請負及びこれら身体障害者用物品の修理のうち一定のもの

(15)学校教育
学校教育法に規定する学校、専修学校、修業年限が1年以上などの一定の要件を満たす各種学校等の授業料、入学検定料、入学金、施設設備費、在学証明手数料など

(16)教科用図書の譲渡

(17)住宅の貸付け

契約において人の居住の用に供することが明らかなものに限られます。
ただし、1か月未満の貸付けなどは非課税取引には当たりません。

「(9)社会保険医療の給付等」に「差額ベット代」は非課税でない、つまり消費税が課税されると記載されています。

ただし、「差額ベッド代」に消費税が課税されるといっても、助産に係る「差額ベット代」は非課税のようです。

消費税法基本通達6-8-3

消費税法基本通達6-8-3(妊娠中及び出産後の入院に係る差額ベッド料等の取扱い)

助産に係る資産の譲渡等については、平成元年1月26日付大蔵省告示第7号「消費税法別表第一第6号に規定する財務大臣の定める資産の譲渡等及び金額を定める件」の規定により定められた金額を超える場合であっても非課税となるのであるから留意する。
したがって、妊娠中の入院及び出産後の入院(6-8-2に掲げる入院に限るものとし、異常分娩に伴う入院を含む。)における差額ベッド料及び特別給食費並びに大学病院等の初診料についても全額が非課税となる。

日常生活において消費税の非課税となるのは主に下記の取引です。

・住宅の貸付

・土地の貸付

・社会保険診療

・有価証券の譲渡

・行政サービスの手数料

専門的な人は別にして、これらには消費税がかからないと思っておけば、基本的に知識としては十分でしょう。

 

消費税について、知っておきたい豆知識をまとめていますので、ぜひご覧ください。

【まとめ】消費税について知っておきたい豆知識