ガソリンや軽油に対する消費税の課税関係

2019年3月18日

ガソリンスタントで軽油を入れると軽油引取税は消費税が不課税です。

ただし、ガソリンには消費税が課税されます。

どうして軽油税には課税されなくて、ガソリン税が含まれているガソリンは課税されるのだろうか?

と考えたことがございませんか?

今回は、軽油やガソリンに関する消費税の疑問を解説します。

ガソリン税に消費税?

燃料代として支出する軽油代ですが、軽油税分は税金なので消費税は不課税で処理されます。

しかし、ガソリンもガソリン税が含まれているので、ガソリン税分は消費税が不課税、という風に処理はされません。

消費者が最終的に負担するガソリン税ですが、納税義務者は石油会社となるため、「商品価格を構成するコスト」であるとの認識から、このガソリン税にも消費税が課税されるわけです。

二重課税であるとの議論が古くからありますが、公に問題となることはなく現在に至っているようです。

では、なぜ軽油税だけが消費税が課せられないかというと、ガソリンスタンドが税金を納めるという考え方によるからです。

まあ、ほとんどのガソリンスタンドでは委託販売という形式をとって仕入先から軽油販売を委託されているということで、消費税の計算においては販売手数料だけ計上するという方式を採っています。

そもそも軽油引取税は、その特別徴収義務者である特約店等に納付義務があります。

本来ガソリンスタンドはその特約店になれませんが、委託という形をとって消費税の二重課税を免れています。

委託販売契約を結んでいないと軽油税事体にも消費税がかかってしまうので、取扱数量が多いガソリンスタンドにとっては非常にきつい納税が発生してしまいます。

それにしても、軽油価格の3分の1、ガソリン価格の2分の1が税金です。

一昔前に民主党が政権を取って、ガソリン価格が高騰したときにガソリン税が一時停止されたこともありましたね。

私は未だに100%ガソリン車ですが、早くハイブリッドカーに乗り換えしたいものです。

ところで、ガソリン税は正式には「揮発油税及び地方揮発油税」というもので、租税特別措置法第88条の8で規定された税で、法人税や所得税などの本税とはちょっと色合いが違います。

特別措置で設けられた税金が本税のように長年課税されているのに違和感を感じるのは私だけではないと思います。

ちなみにガソリン税は1キロリットル当たり揮発油税法第9条で24,300円、地方揮発油税法第4条で4,400円となっていますが、租税特別措置法で1キロリットル当たり揮発油税は48,600円、地方揮発油税は5,200円の特例税率が規定されています。

ガソリン1リットルに換算すると本税28.7円、特例分25.1円、合計53.8円ということになります。

条文を見ていて気付いたんですが、租税特別措置法89条に下記の記載があります。

平成二十二年一月以後の連続する三月における各月の揮発油の平均小売価格がいずれも一リットルにつき百六十円を超えることとなつたときは、財務大臣は、速やかに、その旨を告示するものとし、当該告示の日の属する月の翌月の初日以後に揮発油の製造場から移出され、又は保税地域から引き取られる揮発油に係る揮発油税及び地方揮発油税については、同条の規定の適用を停止する。」

つまり、ガソリンの平均小売価格が3ヵ月連続で160円を超えると租税特別措置法の特例税率が適用停止。そして、揮発油税法第、地方揮発油税法で規定された税率が適用されて1リットル当たり25.1円安くなるということです。

政府としては税収が減るとのは困るので、なるべく市場価格が160円超えないように調整してくるような気がしますね。

消費税について、知っておきたい豆知識をまとめていますので、ぜひご覧ください。