固定資産税が損金算入される日は?

法人税法

3月決算法人で、決算後の6月以降に支払うであろう固定資産税を未払計上していたケースがありました。

土地や建物、そして償却資産の固定資産税は、5月頃に賦課決定され、市町村によって若干時期は異なりますが、6月末、7月末、9月末、12月末の計4回に分けて総額の4分の1づつを納付します。

通常は固定資産税を納付したときに経費処理するのであまり気にしていませんでしたが、3月決算の法人に対して、その年の固定資産税を未払計上するという点に少し違和感を覚えたので、固定資産税の損金算入時期について確認してみました。

固定資産税の損金算入時期

固定資産税の損金参入時期については、法人税基本通達で下記のように規定されています。

法人税法基本通達9-5-1

(租税の損金算入の時期)

法人が納付すべき国税及び地方税(法人の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されないものを除く。)については、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に定める事業年度の損金の額に算入する。(昭50年直法2-21「25」、昭55年直法2-15「十四」、昭59年直法2-3「六」、平2年直法2-1「七」、平5年課法2-1「八」、平15年課法2-7「二十六」により改正)

(2) 賦課課税方式による租税 賦課決定のあった日の属する事業年度とする。ただし、法人がその納付すべき税額について、その納期の開始の日(納期が分割して定められているものについては、それぞれの納期の開始の日とする。)の属する事業年度又は実際に納付した日の属する事業年度において損金経理をした場合には、当該事業年度とする。

また、所得税基本通達での租税に関する規定は下記の通りです。

所得税基本通達37-6

(その年分の必要経費に算入する租税)

法第37条第1項の規定によりその年分の各種所得の金額の計算上必要経費に算入する国税及び地方税は、その年12月31日(年の中途において死亡し又は出国をした場合には、その死亡又は出国の時。以下この項において同じ。)までに申告等により納付すべきことが具体的に確定したものとする。ただし、次に掲げる税額については、それぞれ次による。(平元直所3-14、直法6-9、直資3-8、平5課所4-1、平13課個2-30、課資3-3、課法8-9改正)

(1) 製造場から移出された物品に係る酒税等でその年12月31日までに申告等があったもののうち、同日までに販売されていない物品に係る税額 当該物品が販売された日の属する年分の必要経費に算入する。

(2) その年分の総収入金額に算入された酒税等のうち、その年12月31日までに申告期限が到来しない税額 当該税額として未払金に計上された金額のうち、その年分の確定申告期限までに申告等があった税額に相当する金額は、当該総収入金額に算入された年分の必要経費に算入することができる。

(3) 賦課課税方式による租税のうち納期が分割して定められている税額 各納期の税額をそれぞれ納期の開始の日又は実際に納付した日の属する年分の必要経費に算入することができる。

(4) 地価税 地価税法第28条第1項及び第3項並びに同条第5項の規定により読み替えて適用される通則法第35条第2項に定めるそれぞれの納期限の日(同日前に納付した場合には実際に納付した日)の属する年分の必要経費に算入することができる。

(5) 利子税 納付の日の属する年分の必要経費に算入する。ただし、その年12月31日までの期間に対応する税額を未払金に計上した場合には、当該金額をその年分の必要経費に算入することができる。

つまり、租税の損金算入についての取り扱いは下記の通りとなります。

① 賦課決定のあった日(納税通知のあった日)の属する事業年度

→ 賦課決定のあった事業年度・・・・・原則的な処理方法!

② ただし、法人がその納付すべき税額について、納期の開始の日(納期が分割して定められている場合には、それぞれの納期の開始の日)の属する事業年度

→ 納期の開始日の事業年度

③ 又は実際に納付した日の属する事業年度において損金経理をした場合には、当該事業年度

→実際に納付した日の事業年度

したがって、3月決算の法人で5月頃に賦課決定される固定資産税は、未払計上出来ないですね。

法人税や所得税では未払計上できない固定資産税ですが、相続税では取り扱いが異なります。

未払いの固定資産税は、相続税の債務控除の対象になります。

相続税において、固定資産税や住民税は「賦課期日」が定められており、その賦課期日(毎年1月1日)によって納税義務が確定したものとして取り扱われます。

自治体から税金の通知書が未到着であっても、1月1日時点で納税義務が確定しているため、その年分の税金が債務控除の対象となるのわけです。固定資産税をはじめ、住民税もその対象になります。

法人税と所得税、相続税での取り扱いに注意しなければなりませんね。

法人税法の取り扱いについて、注意したい点について一覧にまとめていますので、もしよろしかったらご覧ください。

 

【まとめ】法人税についてしっておきたい豆知識

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