会社員が死亡した場合は住民税の納付方法が普通徴収へ

2018年8月2日

住民税は毎年1月1日現在の状況で納税義務を判定することになっています。年の途中で死亡したサラリーマンの住民税を誰が支払うのかというのは案外知られていません。

サラリーマンだけに限りませんが、住民税は前年1年間の所得が課税標準となります。計算された住民税は、個人事業者は年4回に分けて納付しますが、サラリーマンは特別徴収という制度があり、確定した住民税を6月から翌年の5月までの12ヵ月間にわたって、毎月雇用主が給与から控除して、本人に代わって納付することになっています。

それでは、住民税24万円の納付義務があるサラリーマンが10月に死亡したとします。この場合は、10月の給料を受け取っていなかったとすると、6月から9月まで毎月2万円、合計8万円の住民税は納付済ですが、残りの16万円が未納となっています。給与もその後は支払われないため、特別徴収も出来ません。そのため、地方税法で死亡した場合の納税義務について規定があります。

地方税法第9条(相続による納税義務の承継)
相続(包括遺贈を含む。以下本章において同じ。)があつた場合には、その相続人(包括受遺者を含む。以下本章において同じ。)又は民法(明治二十九年法律第八十九号)第九百五十一条の法人は、被相続人(包括遺贈者を含む。以下本章において同じ。)に課されるべき、又は被相続人が納付し、若しくは納入すべき地方団体の徴収金(以下本章において「被相続人の地方団体の徴収金」という。)を納付し、又は納入しなければならない。ただし、限定承認をした相続人は、相続によつて得た財産を限度とする。
2 前項の場合において、相続人が二人以上あるときは、各相続人は、被相続人の地方団体の徴収金を民法第九百条から第九百二条までの規定によるその相続分によりあん分して計算した額を納付し、又は納入しなければならない。
3 前項の場合において、相続人のうちに相続によつて得た財産の価額が同項の規定により納付し、又は納入すべき地方団体の徴収金の額をこえている者があるときは、その相続人は、そのこえる価額を限度として、他の相続人が同項の規定により納付し、又は納入すべき地方団体の徴収金を納付し、又は納入する責に任ずる。
4 前三項の規定によつて承継する義務は、当該義務に係る申告又は報告の義務を含むものとする。

条文によると、相続人が1人である場合はその者が、2人以上の相続人がいる場合はそれぞれの相続分で納付額を按分した住民税を納めることになっています。特別徴収から普通徴収に切り替わって相続人が納付することになるわけです。