超過物納したら過誤納金に対して課税される?

2018年12月19日

相続税の納付に関して、納税資金があれば何の問題もありませんが、相続財産に現預金がなく、やむなく物納という手段をとることになるケースもあるでしょう。

さて、相続税を物納した場合、それが相続税を超える価額の財産であったとしたら、超えた部分や課税関係はどうなるのでしょうか?

物納の超過部分は還付、課税の対象となる

原則として租税は金銭による納付しなければなりません。

ただし、相続税は、その価額が高額となることから、延納によっても金銭で納付することが困難であるなど、条件を満たせば物納によって相続税を納付することが認められます。

相続税法第41条

(物納の要件)

税務署長は、納税義務者について第三十三条又は国税通則法第三十五条第二項(申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき相続税額を延納によつても金銭で納付することを困難とする事由がある場合においては、納税義務者の申請により、その納付を困難とする金額として政令で定める額を限度として、物納の許可をすることができる。この場合において、物納に充てる財産(以下「物納財産」という。)の性質、形状その他の特徴により当該政令で定める額を超える価額の物納財産を収納することについて、税務署長においてやむを得ない事情があると認めるときは、当該政令で定める額を超えて物納の許可をすることができる。

また、物納に充てる財産の状況によってやむを得ない理由がある場合は「超過物納」が認められ、財産の収納金額と相続税額の差額は過誤納金として還付されます。

相続税法基本通達41-4

(政令で定める額を超えて物納を許可する場合)

法第41条第1項の規定により、政令で定める額を超える価額の物納財産による物納を許可する場合において、当該財産の収納価額と当該許可に係る相続税額の差額は、金銭をもって還付するものとする。

それから、物納の許可を得て相続財産の物納で相続税を納めた場合、その財産の譲渡はなかったものとみなされます。

租税特別措置法第40条の3

(物納による譲渡所得等の非課税)

個人がその財産を相続税法第四十二条第二項(同法第四十五条第二項において準用する場合を含む。)又は第四十八条の二第三項の規定による許可を受けて物納した場合には、所得税法第三十二条又は第三十三条の規定の適用については、当該財産(相続税法第四十一条第一項後段(同法第四十五条第二項又は第四十八条の二第六項において準用する場合を含む。)の規定の適用がある場合には、当該財産のうち同法第四十一条第一項(同法第四十五条第二項において準用する場合を含む。)又は第四十八条の二第一項に規定する納付を困難とする金額として政令で定める額に相当するものとして政令で定める部分)の譲渡がなかつたものとみなす。

この場合、物納した財産全部がそういう取り扱いをするわけでなく、相続税に対応する部分に限られます。

譲渡所得の課税時期は物納により所有権の移転等の登記がされた人なります。

また、超過物納により課税される譲渡所得には「優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(租税特別措置法第31条の2)」又は「短期譲渡所得所得の課税の特例・軽減税率(租税特別措置法第32条第3項)」が適用されます。