税務調査のひとつ「現況調査」とは?

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税理士法の中に税務調査の通知に関する条文があります。

税理士法第34条

(調査の通知)

税務官公署の当該職員は、租税の課税標準等を記載した申告書を提出した者について、当該申告書に係る租税に関しあらかじめその者に日時場所を通知してその帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下同じ。)を調査する場合において、当該租税に関し第三十条の規定による書面を提出している税理士があるときは、併せて当該税理士に対しその調査の日時場所を通知しなければならない。

2 前項の場合において、同項に規定する申告書を提出した者の同意がある場合として財務省令で定める場合に該当するときは、当該申告書を提出した者への通知は、同項に規定する税理士に対してすれば足りる。

3 第一項に規定する税理士が数人ある場合において、同項に規定する申告書を提出した者がこれらの税理士のうちから代表する税理士を定めた場合として財務省令で定める場合に該当するときは、これらの税理士への同項の規定による通知は、当該代表する税理士に対してすれば足りる。

引用元:税理士法

税務調査は事前に通知することが原則なのですが、予告なしに突然、税務調査が行われることがあります。

これがいわゆる「現況調査」なのですが、どういう理由で行われるのでしょうか?

証拠隠しを防ぐための「現況調査」

「現況調査」は。主に現金商売が多い会社や個人事業主を対象に行われます。

朝、シャッターを開けたら税務署職員がいた、というのが「現況調査」ですね。

ただし、あくまで「現況調査」も任意の税務調査なので、あたふたせずに顧問税理士に連絡するとともに、都合が合わなけらば日程変更を申し出ることも可能です。

査察のように令状を持って強制調査にあたるわけではないので、遠慮せずに調査官に申し出ることが大事ですね。

ただし、現金残高と帳簿の突合、前日の売上だけのチェックだけは免れないかもしれませんので、普段から帳簿の作成はしておいた方がよいかもしれません。

突然調査に来る理由は?

「現況調査」が行われる対象先としては現金売上が多い小売業者、レストラン、バー、スナックなどです。

これらの事業者が現金売上を抜いたりして、それが巧妙に隠された場合、税務署としては脱税の証拠をつかみにくいので、その証拠を押さえるために隠す前に税務調査を行う、それが「現況調査」なのです。

売上を抜くということは、売上の痕跡を消さなければなりません。

バーなどでは注文を受けるためには伝票が必要です。

売上を抜くためには、受け取った代金に対する、お客様の注文伝票も廃棄するなり隠すなりしなければなりませんが、閉店後にその作業をすることは少なく、翌日あるいはまとめて処理する場合が多く、翌日の開店直後に税務調査することで、その証拠を抑えようとするのが「現況調査」の目的です。

「現況調査」の前に「外観調査」と「内観調査」

「現況調査」を行う前に「外観調査」と「内観調査」があります。

「外観調査」とは、実際に店舗に行ってみて店の売上の基本となる立地条件や客数などの調査をします。

続いて「内観調査」。

調査対象のお店に、客を装って来店し、来店者数、客単価、従業員数、どういう風に注文を受けているのか、代金の計算はレジでやっているかなど、調査に必要な情報を確認します。

そして「現況調査」。

よくあるパターンが前日に税務署職員が来店し、支払いに印をつけたり紙片番号を控えた1万円札で支払いをしておいて、翌日、現況調査に訪れたときに、その1万円札があるかどうかを確認するわけです。

1万円札は一番高額の紙幣なので、おつりで出ていくことがなく、支払いなどに充てない限り現金として残っていなければおかしいからです。

あるはずの1万円札がなければ売上を抜いている可能性が強まります。

そもそも、現況調査が行れるということは、タレコミがあったか、疑われているということなので肝に銘じる必要があるでしょう。

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税務会計のミチシルベ

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