法人税における社債発行費の取り扱い

法人税法

資金調達の方法として金融機関などからの融資以外に社債を発行する方法もあります。

社債は長期的な資金調達が可能で、銀行融資が条件が厳しいのに対して社債は条件が合う人を見つければよいですし、返済期限に一括で償還すればよいので、毎月の返済に追われることもありません。

また、何といっても株式と違い経営に参加する権利がないので、経営に干渉される心配がありません。

さて、そんな社債ですが、発行に際して注意する点にはどういうことがあるのでしょうか?

社債等発行費は繰延資産として処理

社債を発行する場合、社債を発行するための印刷代や手数料などが発生します。

これらは会計上は社債発行費とされ、営業外費用として発生時点で経費処理されます。

ただし、税務上は社債等発行費として繰延資産に該当します。

法人税法施行令 第14条

(繰延資産の範囲)

法第二条第二十四号(繰延資産の意義)に規定する政令で定める費用は、法人が支出する費用(資産の取得に要した金額とされるべき費用及び前払費用を除く。)のうち次に掲げるものとする。

一 創立費(発起人に支払う報酬、設立登記のために支出する登録免許税その他法人の設立のために支出する費用で、当該法人の負担に帰すべきものをいう。)

二 開業費(法人の設立後事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用をいう。)

三 開発費(新たな技術若しくは新たな経営組織の採用、資源の開発又は市場の開拓のために特別に支出する費用をいう。)

四 株式交付費(株券等の印刷費、資本金の増加の登記についての登録免許税その他自己の株式(出資を含む。)の交付のために支出する費用をいう。)

五 社債等発行費(社債券等の印刷費その他債券(新株予約権を含む。)の発行のために支出する費用をいう。)

六 前各号に掲げるもののほか、次に掲げる費用で支出の効果がその支出の日以後一年以上に及ぶもの

イ 自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出する費用

ロ 資産を賃借し又は使用するために支出する権利金、立ちのき料その他の費用

ハ 役務の提供を受けるために支出する権利金その他の費用

ニ 製品等の広告宣伝の用に供する資産を贈与したことにより生ずる費用

ホ イからニまでに掲げる費用のほか、自己が便益を受けるために支出する費用

社債等発行費が繰延資産に該当するということになると償却が必要ですが、均等償却と任意償却が選択可能です。

法人税法 第32条

(繰延資産の償却費の計算及びその償却の方法)

内国法人の各事業年度終了の時の繰延資産につきその償却費として第二十二条第三項(各事業年度の損金の額に算入する金額)の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する金額は、その内国法人が当該事業年度においてその償却費として損金経理をした金額(以下この条において「損金経理額」という。)のうち、その繰延資産に係る支出の効果の及ぶ期間を基礎として政令で定めるところにより計算した金額(次項において「償却限度額」という。)に達するまでの金額とする。

法人税法施行令 第64条

(繰延資産の償却限度額)

法第三十二条第一項(繰延資産の償却費の計算及びその償却の方法)に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、次の各号に掲げる繰延資産の区分に応じ当該各号に定める金額とする。

一 第十四条第一項第一号から第五号まで(繰延資産の範囲)に掲げる繰延資産 その繰延資産の額(既にした償却の額で各事業年度の所得の金額又は各連結事業年度の連結所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの(当該繰延資産が適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配により被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人から引継ぎを受けたものである場合にあつては、これらの法人の各事業年度の所得の金額又は各連結事業年度の連結所得の金額の計算上損金の額に算入されたものを含む。)がある場合には、当該金額を控除した金額)

それから、社債発行の際、保証料が発生することがありますが、保証料の発生理由が社債を発行する条件である場合は社債等発行費、クーポン利率を下げるためである場合は前払費用として償還するまでの期間の経過に応じて費用化する必要があります。

大企業ではよくある社債発行ですが、最近では私募債として発行する中小企業も増えてきています。

会計処理には注意しましょう。

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税務会計のミチシルベ

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