ビンゴゲームの賞品に所得税?

2020年7月8日

忘年会などの余興で定番のビンゴゲーム。

太っ腹な会社では1等10万円の賞品券や海外旅行などの賞品が揃えられるケースもあります。

「今年は何が当たるかな?」なんて期待する方も多いのでは?

ところで、ビンゴゲームの賞品に所得税がかかる、なんて言われたらみなさんはどう思いますか?

忘年会などのビンゴゲーム賞品は一時所得の対象

従業員に対する賞品であれば、雇用契約によるもなら給与所得に該当する可能性もあります。

ただし、ビンゴゲームの賞品は仕事に関係するものでなく、役務の提供の対価にも該当しません。

ビンゴゲームは偶然性が高く、クジに近いようなものです。

これらから判断すると、ビンゴゲームの賞品は給与所得には該当しません。

所得税法 第28条

(給与所得)

給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与(以下この条において「給与等」という。)に係る所得をいう。

また、給与所得に該当しないのであれば源泉徴収の必要もありませんし、源泉徴収の対象となる報酬等にも該当しません。

所得税法 第183条

(源泉徴収義務)

居住者に対し国内において第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(以下この章において「給与等」という。)の支払をする者は、その支払の際、その給与等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。

所得税法 第204条

(源泉徴収義務)

居住者に対し国内において次に掲げる報酬若しくは料金、契約金又は賞金の支払をする者は、その支払の際、その報酬若しくは料金、契約金又は賞金について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
一 原稿、さし絵、作曲、レコード吹込み又はデザインの報酬、放送謝金、著作権(著作隣接権を含む。)又は工業所有権の使用料及び講演料並びにこれらに類するもので政令で定める報酬又は料金
二 弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金
三 社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)の規定により支払われる診療報酬
四 職業野球の選手、職業拳けん闘家、競馬の騎手、モデル、外交員、集金人、電力量計の検針人その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金
五 映画、演劇その他政令で定める芸能又はラジオ放送若しくはテレビジョン放送に係る出演若しくは演出(指揮、監督その他政令で定めるものを含む。)又は企画の報酬又は料金その他政令で定める芸能人の役務の提供を内容とする事業に係る当該役務の提供に関する報酬又は料金(これらのうち不特定多数の者から受けるものを除く。)
六 キャバレー、ナイトクラブ、バーその他これらに類する施設でフロアにおいて客にダンスをさせ又は客に接待をして遊興若しくは飲食をさせるものにおいて客に侍してその接待をすることを業務とするホステスその他の者(以下この条において「ホステス等」という。)のその業務に関する報酬又は料金
七 役務の提供を約することにより一時に取得する契約金で政令で定めるもの
八 広告宣伝のための賞金又は馬主が受ける競馬の賞金で政令で定めるもの

結論を言うと、忘年会でのビンゴゲームの賞品は一時所得に該当します。

所得税法 第34条

(一時所得)

一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。

通達にも例示されています。

間違って、給与として課税したりしないようにしましょう。

所得税法基本通達 34-1

(一時所得の例示)

次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。
(1)懸賞の賞金品、福引の当選金品等(業務に関して受けるものを除く。)

(2)馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除く。)

(3)労働基準法第114条《付加金の支払》の規定により支払を受ける付加金

(4)令第183条第2項《生命保険契約等に基づく一時金に係る一時所得の金額の計算》に規定する生命保険契約等に基づく一時金(業務に関して受けるものを除く。)及び令第184条第4項《損害保険契約等に基づく満期返戻金等》に規定する損害保険契約等に基づく満期返戻金等

(5)法人からの贈与により取得する金品(業務に関して受けるもの及び継続的に受けるものを除く。)

(6)人格のない社団等の解散により受けるいわゆる清算分配金又は脱退により受ける持分の払戻金

(7)借家人が賃貸借の目的とされている家屋の立退きに際し受けるいわゆる立退料(その立退きに伴う業務の休止等により減少することとなる借家人の収入金額又は業務の休止期間中に使用人に支払う給与等借家人の各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額をほてんするための金額及び令第95条《譲渡所得の収入金額とされる補償金等》に規定する譲渡所得に係る収入金額に該当する部分の金額を除く。)

(8)民法第557条《手付》の規定により売買契約が解除された場合に当該契約の当事者が取得する手付金又は償還金(業務に関して受けるものを除く。)

(9)法第42条第1項《国庫補助金等の総収入金額不算入》又は第43条第1項《条件付国庫補助金等の総収入金額不算入》に規定する国庫補助金等のうちこれらの規定の適用を受けないもの及び第44条《移転等の支出に充てるための交付金の総収入金額不算入》に規定する資産の移転等の費用に充てるため受けた交付金のうちその交付の目的とされた支出に充てられなかったもの

(10)遺失物拾得者又は埋蔵物発見者が受ける報労金

(11)遺失物の拾得又は埋蔵物の発見により新たに所有権を取得する資産

(12)地方税法第41条第1項《個人の道府県民税の賦課徴収》、同法第321条第2項《個人の市町村民税の納期前の納付》及び同法第365条第2項《固定資産税に係る納期前の納付》の規定により交付を受ける報奨金(業務用固定資産に係るものを除く。)