有価証券の評価時に取引価格がない場合は?

相続税法

有価証券は時価をもって貸借対照表あるいは相続税評価額としなければなりません。

上場株式は証券取引所の価格で評価しますが、取引所が営業日でない場合、取引価格がありません。

この場合の取引価格はどうなるのでしょうか?

貸借対照表上の有価証券は評価日前直近の取引価格

企業会計における金融商品について実務指針について下記のように記載されています。

金融商品会計に関する実務指針60

(株式の時価評価)

株式に付すべき時価は市場価格とし、第48項の市場において公表されている取引価格の終値を優先適用し、終わりがなければ気配値を適用する。その場合の気配値は、公表された売り気配の最安値又は買い気配の最高値とし、それらがともに公表されている場合にはそれらの仲値とする。また、当日に終値も気配値も公表されていない場合には、同日前直近において公表された終値または気配値とする。なお、新株権利落ちのあった株式で期末に当該株式に係る新株の発行が行われていないものについては、終値に当該株式の新株の価格に相当する金額を加算した金額とする。

つまり、気配値や新株のことを考慮しなければ、基準日に取引価格がない場合、基準日の直前の取引価格の終値を用いて貸借対照表価額とすればよいことになります。

有価証券の相続税評価額

有価証券の相続税評価額は、財産評価基本通達に記載があります。

財産評価基本通達171

(上場株式についての最終価格の特例-課税時期に最終価格がない場合)

169≪上場株式の評価≫の定めにより上場株式の価額を評価する場合において、課税時期に最終価格がないものについては、前項の定めの適用があるものを除き、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に掲げる最終価格をもって課税時期の最終価格とする。(平11課評2-2外・平18課評2-27外・平22課評2-18外改正)

(1) (2)又は(3)に掲げる場合以外の場合 課税時期の前日以前の最終価格又は翌日以後の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格(その最終価格が2ある場合には、その平均額)

(2) 課税時期が権利落等の日の前日以前で、(1)の定めによる最終価格が、権利落等の日以後のもののみである場合又は権利落等の日の前日以前のものと権利落等の日以後のものとの2ある場合 課税時期の前日以前の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格
(3) 課税時期が株式の割当て等の基準日の翌日以後で、(1)の定めによる最終価格が、その基準日に係る権利落等の日の前日以前のもののみである場合又は権利落等の日の前日以前のものと権利落等の日以後のものとの2ある場合 課税時期の翌日以後の最終価格のうち、課税時期に最も近い日の最終価格

つまり、権利落ちのことなどを考慮しなければ、基準日の前後で近い日の終値が評価額を計算するための価格になります。

企業会計上の有価証券と相続税上の有価証券は、算定するための取引価格にズレが生じるので気を付けないといけませんね。

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