簿記論 間違い備忘記録 Part3 分配可能額の算定

[計算前提]

資本金10,000千円
資本準備金1,000千円
その他資本剰余金5,000千円
利益準備金2,000千円
任意積立金18,000千円
繰越利益剰余金4,000千円
その他有価証券評価差額金2,000千円
自己株式2,000千円
のれん60,000千円
繰延資産10,000千円

のれん等調整額:のれん60,000×2分の1 ∔ 繰延資産10,000 = 40,000

資本等金額  :資本金10,000 + 資本準備金1,000 + 利益準備金2,000 = 13,000

資本等金額及びその他資本剰余金の合計額:資本等金額13,000 + その他資本剰余金5,000 = 18,000

剰余金の額:その他資本剰余金5,000 + 任意積立金18,000 + 繰越利益剰余金4,000 = 27,000

 

まず、分配可能額の調整が必要かどうか判定する。

のれん等調整額 > 資本等金額及びその他資本剰余金の合計額 → 分配可能額の調整が必要

のれん等調整額 ≦ 資本等金額及びその他資本剰余金の合計額 → 分配可能額の調整は必要

 

本問の場合の分配可能額の調整の必要性の判定は?

のれん等調整額40,000 > 資本等金額及びその他資本剰余金の合計額18,000 → 減算額あり

 

続いて、のれんが多額になるかの判定を行う。

のれんの2分の1 > 資本等金額及びその他資本剰余金 → のれんが多額になると判定

のれんの2分の1 ≦ 資本等金額及びその他資本剰余金 → のれんが多額ではないと判定

 

のれん60,000 × 2分の1 = 30,000 > 資本等金額及びその他資本剰余金の合計額18,000 → 多額

減算額 = のれん等調整額40,000 - 資本等金額及びその他資本剰余金の合計額18,000 = 22,000

要するに「資本等金額及びその他資本剰余金の合計額18,000」を確保するということ!

 

最後に分配可能額の算定を行う。

 

分配可能額:剰余金27,000 - 22,000 = 5,000

 

ちなみに、資本金が30,000千円だった場合は下記のとおり。

のれん等調整額:のれん60,000×2分の1 ∔ 繰延資産10,000 = 40,000

資本等金額  :資本金30,000 + 資本準備金1,000 + 利益準備金2,000 = 33,000

資本等金額及びその他資本剰余金の合計額:資本等金額33,000 + その他資本剰余金5,000 = 38,000

 

まず、分配可能額の調整が必要かどうかの判定を行う。

のれん等調整額40,000 > 資本等金額及びその他資本剰余金の合計額38,000 → 減算額あり

 

続いて、のれんが多額になるかの判定を行う。

(のれんの2分の1が資本等金額及びその他資本剰余金より大きくなるかどうか)

のれん60,000 × 2分の1 = 30,000 ≦ 資本等金額及びその他資本剰余金の合計額38,000 → 多額でない

減算額 = のれん等調整額40,000 - 資本等金額38,000 = 2,000

要するに「資本等金額」を確保するということ!

 

最後に分配可能額の算定を行う。

剰余金の額:その他資本剰余金5,000 + 任意積立金18,000 + 繰越利益剰余金4,000 = 27,000

分配可能額:剰余金27,000 - 2,000 = 25,000