取締役は出来るだけ使用人兼務役員にして経費化を促進しよう

2018年10月16日

「使用人兼務役員」とは役員のうち、部長、課長、その他法人として職制上の地位があり、かつ、常時使用人として仕事に従事する者のことを指します。

役員に対する賞与は、事前確定届出給与以外は損金に算入できませんが、使用人兼務役員に対する賞与は、条件さえそろえば、使用人分として支給する部分は損金に算入することが可能です。

利益が出そうなので臨時賞与を支給しようとする場合、使用人分の臨時賞与は損金算入可能ですが、役員分の臨時賞与は損金不算入となります。

したがって、取締役はできるだけ使用人兼務役員とした方が、税務上で有利になると言えます。

参考までに使用人兼務役員になれない役員を挙げておきます。

①社長、理事長、代表取締役、代表理事、精算人

②副社長、専務取締役、常務取締役その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員

③合名会社、合資会社および合同会社の業務を執行する社員

④委員会設置会社の取締役、会計参与、監査役、監事

⑤同族会社のみなし役員

②については定款の規定または株主総会や取締役会の決議により専務・常務と決められた役員をいいます。

自称専務取締役や通称常務取締役であって、単なる平取締役であれば使用人兼務役員になれます。

⑤については、持ち株の判定の際には配偶者の持ち株も合わせて判定するので、本人の持ち株割合がゼロであってもみなし役員になってしまう可能性があるので注意が必要です。

使用人兼務役員の使用人分の賞与として経費に算入できる条件として下記のようにものがあります。

A 他の使用人に対する賞与と同一の時期に支給すること

B 使用人の職務に対する賞与として適正な金額であること

C 損金経理より費用計上すること

 

法人税法の取り扱いについて、注意したい点について一覧にまとめていますので、もしろろしかったらご覧ください。

【まとめ】法人税について知っておきたい豆知識