法人成りのデメリットは可処分所得減 その他のメリットを考慮しよう

法人税法

以前の記事で法人成りの可処分所得のシミュレーションをしました。

前回は東京在住でのシミュレーションでしたが、今回は私の住んでいる鹿児島でのシミュレーションを実施しました。

法人成りのシミュレーション結果

結果はやはり、かなりの高所得(2,600万円)でないと法人成りした場合の可処分所得が有利になりませんでした。

可処分所得で考えると法人成りのメリットはありませんが、その他のメリットで法人成りを検討するしかありません。

そこで、可処分所得を考慮しない、その他のメリットについてまとめてみました。

法人成りのメリット1 所得分散

個人事業だと専従者給与は認められているものの、多額の専従者給与は否認されやすいです。親族を役員にして、役員報酬として支給すれることで、現実離れしていない金額までは否認されることはありません。事業主に集中していた所得を分散させることが可能になります。

法人成りのメリット2 退職金が費用になる

個人事業では事業主本人への退職金は認められていません。法人成りすると事業主に対する退職金も経費になるので節税効果が生まれます。

法人成りのメリット3 生命保険が経費になる

個人事業であれば生命保険の恩恵は最大12万円(生命保険料控除)しか受けられませんが、法人成りすることで生命保険が経費になります。うまく活用すれば退職金の原資に充てることも可能です。

法人成りのメリット3 社宅が経費になる

個人の場合には、自宅の家賃を必要経費とすることは出来ません。 これに対して法人成りをすると、法人名義で事業主の自宅を借りることで、社宅としてその家賃を法人の費用にすることが可能です。思い切って、法人名義で社宅を購入することも可能です。社宅を借りる、あるいは購入して事業主が賃貸する場合、社宅家賃の一部を負担する必要がありますが、個人で借りるより、相場よりもかなり安い金額で済ませることができます。

詳しくは下記を参照して下さい。

役員社宅を利用した節税方法 家賃が実際の半分以下になる!
税務署にはなるべく税金を払いたくない、と考えている経営者も多いでしょう。「利益が出すぎて困っている」、「何とか経費を作りたい」と考えている方に対して、社宅を利用した節税対策をご紹介します。社宅を利用して家賃を下げる役員に対して社宅を貸与する

法人成りのメリット4 社会的信用が高くなる

資金調達の面でいうと、金融機関の審査が個人よりも会社の方が信用力があるために通りやすい傾向にあります。
また、取引先等からの信用も会社の方があるため、取引が円滑に進む可能性も高いです。企業によっては個人とは取引しないと言うところもあります。
さらに、人材募集や人材確保においても、福利厚生面や倒産リスク等を考えて、求職者が会社の方を選択する可能性が高い傾向にあります。

法人成りのメリット5 個人の責任範囲が限定される

個人事業の場合、事業の拡大すれば運営リスクも拡大していきますが、法人成りで事業の運営リスクを限定することができます。個人事業主の場合、事業破綻・倒産等になった場合、無限の責任を負うこととなります。法人成りした場合は株主有限責任の原則というものがあり、債務の弁済は、自分が出資した範囲内での責任に限定されます。ただし、社長が銀行借り入れ等に際し、自宅・事務所等を担保にしている場合は、会社が倒産した時に個人の自宅等を差し押さえられてしまい。 連帯保証人になっている場合は、借入等の返済義務が生じます。

法人成りのメリット6 事業承継がスムーズに出来る

個人事業主が怪我や病気等で働けなくなった場合、取引を中断する取引先も現れるでしょう。法人で代表取締役社長が働けなくなった場合、後継者がいれば取引を中断される可能性も少ないです。また、個人事業主が亡くなった場合、相続財産の保護の目的で預金口座が凍結され、預金の引き出しが出来なくなります。法人の代表取締役社長が亡なった場合、会社の預金口座は、通常通り使用可能できます。

法人成りのメリット7 会社が貯金箱になる

個人事業で財産が増えていくと相続税の対象となります。法人成りして事業がうまくいった場合は、会社に財産が蓄積されるので、相続税の心配はありません。法人成りが相続税対策に直結します。

また、会社に財産が蓄積されていると、資金が自由に動かせないという難点もありますが、自由に動かせないのがある意味利点なのかもしれません。

 

法人成りのメリットをいくつか挙げましたが、事業拡大をしていく上では早めの法人成りが良いでしょう。可処分所得で決断するなら2,000万円を超えてからでしょう。ただし、法人成りにはデメリットもあります。次回以降でデメリットをまとめますが、専門家によく相談した上で、法人成りを検討して下さい。

 

法人税法の取り扱いについて、注意したい点について一覧にまとめていますので、もしろろしかったらご覧ください。

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