十二指腸という奇妙な名前の由来をご存知ですか?
人間は生きていくためには食べることが必要です。
食べた物は消化器によって分解され、エネルギーや栄養分として体に吸収されます。
口で食べ物を受け入れ、食道→胃→十二指腸→小腸→大腸と運ばれていくわけですが、十二指腸とは、何と奇妙な名前ですよね。
今回は十二指腸の名前の由来のお話です。
十二指腸というのは指の長さから命名
十二指腸というのは胃の出口から小腸までをつなぐ25~30センチメートルほどの部分を言います。
ちょうど大人の指を十二本分、横一列に並べた長さになることから、このような名前になったようです。
ところで、手の指は左右合わせて十本しかありません。
十二本というと、自分以外の人の手まで借りて数えなければなりません。
ちょっと違和感がありますよね?
その疑問に答えるのが誤訳説です。
十二指というのは十二インチを誤訳してしまったのではないか、というものです。
根拠となるのは、英語では「十二指腸」ではなく「十二腸」と呼ぶこともあるようで、英語で「十二インチある腸」と呼んでいたのを、分かりやすいように「インチ」を「指」に置き換えたのでは?と謳う人もいるようです。
ラテン語ではduodenum digitorum(duodenum「12」+digitorum「指」=「12本の指の幅」)と呼ばれていたようで、さらに遡るとギリシャ語でdodekadaktylos(dodeka「12」+daktylos「指」)と表記されていました。
もともとの言葉から判断すると、インチ説ではなさそうな気もしますが、単なる誤訳なのか、はたまた、気を利かせた適訳だったのか、ずっと語り継がれていく謎なのでしょうね。